第4章 海外における最近のクリーンエネルギー自動車関連情報
4.1 フィンランドにおけるガス燃料自動車
フィンランドでは、圧縮天然ガス(CNG)、液化石油ガス(LPG、通常プロパン)及び液化天然ガス(LNG)等を燃料とするガス系燃料自動車が利用されている。以下に、フィンランドにおけるCNG自動車の現状について紹介する。
○なぜ圧縮天然ガス自動車か
国のレベルでは、圧縮天然ガス自動車を支援する理由は2つある。
・ 石油依存度を低減できること
・ 自動車から排出される有害物質を低減できること
有害な排出ガスの低減を目的とする国々では、ガソリンや軽油に代わる代替燃料として圧縮天然ガスの利用促進が図られている。現時点では、世界中でCNG車は約100万台普及している。
参考)世界のCNG自動車普及台数および充填所数
(国際天然ガス自動車協会ニュースレター1999年3月より抜粋)
注)普及台数上位については、エンジンをCNG燃料用に最適化していない国がほとんどである。
○フィンランドにおけるガス系燃料自動車
フィンランドの自動車普及台数は230万台、うち7万台が重量車(バス、トラック)となっている。バスは9000台で、都市バスは1000台程度。ディーゼル車の割合は20%、残りはガソリン車であり、ガス系燃料自動車はそれほど普及していない。
フィンランドには国産の石油資源や天然ガス資源がなく、ともに輸入に頼っていて、天然ガスとLPGは貿易政策的に同じ扱いを受けている。
また、自動車や自動車の使用にかかる税金が高いことから、CNGやLPGは主に重量車に使われている。