日本財団 図書館


直接法

脱水法に代わり合成ガスから直接DMEを合成するプロセスは、工程の簡略化により建設費削減となり、また大型化が可能となるので脱水法より安価なDMEを得られる。直接DME製造プロセスとしてNKK、Air Products、Haldor Topsoeが開発している。反応は合成ガスから下記の反応式の様にメタノール合成反応(1)、脱水反応(2)、シフト反応(3)の3段階のステップとなっている。シフト反応が遅い場合は(4)式で反応が進行すると考えられる。一般に、メタノール合成触媒は、シフト反応が進行する機能を持っているので(4)式と(5)式の中間にくると考えられる。反応熱がメタノール合成に比べて高いので反応熱の充分な除熱と適切な温度制御を行う必要がある。触媒は基本的にはメタノール合成触媒と脱水触媒の組み合わせであるが、高温で安定かつ高選択性を持つ触媒が求められる。

CO + 2H2 → CH3OH + 90.4KJ/mol (1)

2CH3OH → CH3OCH3 + H2O +23.4KJ/mol (2)

CO + H2O → CO2 + H2 + 40.9KJ/mol (3)

2CO + 4H2 → CH3OCH3 + H2O + 205.2KJ/mol (4)

3CO + 3H2 → CH3OCH3 + CO2 + 246.3KJ/mol (5)

016-1.gif

ただし、直接法によると、価格は軽油に比ベ、米国南部で35%、欧州では6%程度高くなると推定されている。

 

3.3 DMEの市場と現状

 

DMEは、現在、フロンの代替として主にスプレーに使用されている。現在の世界における需要は15万トン/年程度である。国内では、1万トン/年程度消費されている。軽油の消費量4570万kL/年(約3820万トン;平成10年度)に比較すると、微々たるものであり、自動車用として使用するには、以下の問題がある。

・大規模なプラントを建設する必要がある。

・DME輸送技術の構築含め、あらたに、DMEの燃料インフラが必要になる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION