カリフォルニア州燃料電池パートナーシップの概要は図2-2-1のとおりである。
1999年4月20日、カリフォルニア州デービス知事は、自動車業界、石油業界、政府の燃料電池自動車デモンストレーションのためのパートナーシップ計画を発表した。参加パートナーは、図2.2.1に示すように、州政府、自動車業界、燃料業界である。この中で、カリフォルニア州デービス知事は以下のように発表した(要約)。
「パートナーシップの目的は、カリフォルニアにおいてクリーンな輸送技術をデモンストレーションするものであり、“カリフォルニア燃料電池パートナーシップ”は、自動車メーカー、石油会社、燃料電池会社、そしてカリフォルニア州の協力により行うものである。
このパートナーシップでは、2000〜2003年の間に50台の燃料電池自動車を路上走行させたい。最初、フォードとダイムラークライスラーはそれぞれ5台ずつの燃料電池乗用車を2001年までに供給する。また、20台の燃料電池バスをカリフォルニア運輸局とデモンストレーションする。全ての車両はバラード製の燃料電池を搭載する。
車両の走行試験に加え、燃料インフラ問題を特定し、この新しい技術のためカリフォルニアに燃料マーケットを準備する。最初のデモンストレーションでは、燃料は車両上に搭載したタンクから、直接供給される水素を用いる。それに続くデモンストレーション車では、メタノールを使う可能性がある。他の燃料の技術、例えばクリーンな性状のガソリンなども評価される。パートナーシップの最終目標は、2004年に燃料電池自動車をマーケットに出すための最適燃料インフラを決定することである。」
カリフォルニア燃料電池パートナーシップのユニークな展望は、最初から燃料供給会社が参加していることである。ARCO、シェル、TEXACOは将来燃料電池自動車を購入する顧客が必要とする燃料インフラを構築するためのあるべき姿を探求することから始める。また同時に、テスト車への燃料の供給を行う。
カリフォルニア燃料電池パートナーシップに関するサイトから、この計画に関する主要な情報を以下に紹介する。2-2-1)
(デモンストレーションされる車両)
このプロジェクトでは、乗用車タイプ及びトランジットバス(通常の乗客輸送バス)の燃料電池自動車がテストされる。乗用車はダイムラークライスラーのNECAR4、フォードのP2000が含まれると思われる。
(燃料電池自動車が導入される場所)
輸送用バスは、一つまたはそれ以上の運輸局に置かれよう。乗用車は最初は、カリフォルニアのいくつかの自動車会社で運行されることになろう。それらは、通常の市街地、ハイウェイでテストされる。