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エネルギーと環境

日本で排出される二酸化炭素の約90%は、エネルギー利用に伴うものである。日本は、2008年から2012年までに、温室効果ガスの排出量を1990年比で6%削減すると約束している。エネルギー部門に関してみると、工業部門、住宅部門、商業部門、運輸部門における大幅なエネルギー効率化と、供給サイドでは、原子力エネルギー、新エネルギーの利用推進に政策の焦点があてられている。

日本の原子力エネルギー生産目標は達成可能である。しかしながら、これを達成するには、発電能力を高めることを検討しつつ、同時に、定期的な点検制度といった規制事項にも配慮する必要がある。もちろん、一般社会に受け入れられるには、安全性の確保を不可欠な要素として常に最優先にする必要がある。計画通りに原子力エネルギー生産レベルを達成するには、原子力エネルギーが社会に受容されることが非常に重要である。

 

石油

一次エネルギー供給のうち石油が約55%を占める日本にとって、石油は現在も非常に重要なエネルギー資源である。このため、日本では、エネルギー関連で排出される二酸化炭素の約65%が石油に起因するものである。エネルギーの安定供給と環境の問題があることから、政府は石油消費量の低減またはエネルギーの多様化を図ることを目指すこととなろう。しかし、こうした目標を達成するための政策、例えば石油公団を通じた石油生産に対する日本の投資促進、については、世界の石油価格が低迷し供給が豊富であるという現在の状況に照らして、費用対効果を検討する必要がある。

石油製品市場の自由化によって、ガソリン価格が低下し、石油製品の流通システムの大幅再編が促進された。多数ある小売店を維持するには小売利益が非常に小さすぎるため今後のさらなる変化も避けられない。電力部門を自由化し、コストを反映した電力料金を導入することによって、石油需要がピークに達しないようにできる。一般的にエネルギー市場の自由化は、日本のエネルギー政策の目標を達成するのに有効な方法であろう。

日本は、緊急時には、備蓄石油を利用して製品をつくれるよう、国内の精油能力を維持する意向である。関税によって、輸入競争面で精油業界を保護することもできる。原油と石油製品に対する税率が異なることは、石油製品間の税格差と同様、徐々にクロス補助(*利益のあがらない経営を、他の経営の利益のなかから出費し援助すること)、ひいては経済的に非効率になるという問題につながる。

 

 

 

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