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第二に、同地域の漁業制限の法的根拠は、今のところ薄弱である。なぜなら、北朝鮮のみが排他的経済水域を宣言しているからである。中国と韓国はともに日本との間に個別の二国間漁業協定を締結したが、海洋法の著しい発展の結果、これらの協定を取り巻いていた当時の法的環境は時代遅れとなってしまったのである。その結果、これらの枠組みの健全性と有意性に重大な疑問が生じているのである。また、排他的経済水域が国際法の中で今や確立していることを認識する必要がある。無論、この水域の主要な目的は、沿岸国に対して自国の沿岸沖の資源に対する権利を認めることにある。しかし、このような排他的権利は単なる権利行使の範囲を大きく越えるものである。実際、海洋の利用法が増加し、利用頻度も高まったため、野放しにしていたら生じていたであろうマイナスの結果に対する認識が高揚したのである。効果的な制限が加えられない限り、資源利用の短期的最大化が長期的な保全の必要に対する十分な注意が欠如したまま行なわれ、海洋資源が生物学的にではないにしても、商業的に利用されることはある程度理解できる。実際、多くの国は漁業資源に関する過去の経験に基づいて、自国の領海を越えた排他的漁業あるいは経済的主張を行ったのである。そのため、生物資源の利用のみならず、保全・管理についても沿岸諸国の主権を認める排他的経済水域は、海洋資源の保全・管理問題に対処するための適切な方策であると見なされたのである。

以上の考察から、必然的に二つの問題が提起できる。第一に、北東アジアに排他的経済水域を導入するメリットとデメリットは何か、という問題である。第二は、そのような法的アプローチを支持する論拠が強固でないとすれば、他に方法は考えられるであろうか、とい問題である。これらの問題は検討すべき問題である。北東アジアの既存の漁業レジームは、同地域に二国間協定および一方的制限が複数張り巡らされているため、深刻な挑戦に直面しているのである。かかる挑戦に対していかにして適切に対応できるかどうかは、まだ定かではない。

 

北東アジアの排他的経済水域:望ましさと諸問題

 

排他的経済水域が資源管理・環境保護の思慮あるシステムとして世界的に受け入れられているのに対し、北東アジア地域の沿岸諸国はこの考え方に熱意をもって支持したことは殆どない。この地域で200海里排他的経済水域を最初に導入した国家はソ連であった。1976年、ソ連は200海里排他的漁業区域を宣言した。1984年、これは200海里排他的経済水域へと変更された。排他的経済水域そのものは、1977年に初めて確立された。他方、黄海/東シナ海に接している中国、韓国、日本の主要3カ国は、排他的経済水域をまだ確立していない。但し、日本は1977年、消極的かつ選択的に200海里排他的漁業区域を採用した。沿岸諸国からすれば、このような消極的な態度をとる主な理由は4つある。

 

境界設定問題

 

沿岸諸国の躊躇は、排他的経済水域の結果生じる可能性のある境界設定問題についての懸念に機縁していると考えられる。

 

 

 

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