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防衛白書

 

近年、各国で次第に詳細な防衛白書が刊行されるようになっている。次のはっきりしたステップは、まだそのような防衛白書を発行していない諸国に対して現在の海上兵力の組成及び今後5年間の兵力及び艦船建造計画の詳細を含めた白書を発行させることである。これに関して(おそらく欧州ではOSCE及び太平洋ではASEAN地域フォ一ラムのような適当な機関が)防衛白書に対する共通の最低基準/アウトラインを作り出すことは有意義である。

 

兵器登録

 

現在の国連体制その他の体制と併せて、特に750トン以上の艦船あるいは潜水艦の輸入あるいは輸出については報告が行なわれている。国連の兵器登録体制が更なる進展を見るまでの間、これ以上の地域における報告要求の標準化及び推進は、適当な域内フォーラムが担当することになるであろう。例えば1992年マレーシアの国防大臣は、アジア太平洋地域で国連の兵器登録体制を支援するため「地域登録」の制定を提案した。まず最初に、明らかにまだ報告を実施していない諸国に対して、全ての地域において国連に対して詳しい報告を行なうよう強調すべきである(*7)。

 

軍隊間の接触/セミナー/兵員の相互訪問

 

多くの地域における最近の傾向は、この分野において極めて前向きである。これはNATOと旧東側陣営諸国間のPFPの中心をなすものである。アジア太平洋地域においてさえ、米国・ロシア間の交換、増えつつある韓国・日本間の折衝、中国・日本間の戦略的対話及び、ASEAN諸国とオーストラリア間の相互関係といったくもの巣状の組み合わせがある。これは、今後のプロフェッショナルな接触と交換の更なる発展(そして日常化)のため極めて重要な分野である。1995年2月、インドが主催したインド洋及び東南アジアから各国の艦艇と海軍の指導者達を招いての海軍会議は、そのような交換がいかに地域と地域/サブ地域を結び付け得るかを示している(*8)。

 

 

 

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