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71:「資源調査であるとは特定できない」(外務省アジア局長)

 

平松 ですから、あの調査活動をどう見るかということで、海上保安庁は、空気の泡がぼこぼこ出ているわけですから、明らかにエアガンを使っている。だから資源調査をやっているから違法であると。それに対して外務省のアジア局長は、そこまでは特定できないという。

潮 特定できないと言うのもおかしいですね。

平松 僕はそれでやったんですよ。参議院の記録を読んでください。

 

72:日本は軍事力を発動して排除すべきか?

 

山本 よくお話はわかりました。調査活動をしているのは違反であるというけれど、ネックは中間線が決まっていないということでしょう。

平松 海洋法条約を批准しましたから、あとは政治交渉ですね。

山本 それで外堀を埋められるようにやってくるものを阻止しなければいけない。単刀直入に言って、日本はどうすればいいんでしょうか。

平松 排除するなり、そういうことをしなければいけないと思います。

山本 具体的に排除する方法ですが、軍事力を発動するわけには行かないので、そのほかにどうすれば。

平松 軍事力を発動するわけに行かないと言っても、やるほかない。

山本 そこまで根拠がないと思うんですね。

平松 私は、一番あり得ることは、さっきも言いましたように、石油の採掘のプラットホームを一週間で組み立ててしまった。日本側に580メートル入ったところで出るということを確認しているわけですから、そこにある日突然ああいうものを持ってきて、ボンとつくっちゃうということですね。そういう事態が来ないようにしなければいけないと思うんです。おそらくその時には多分軍艦がでてくるでしょう。その時に軍艦は、何もそんなにレベルの高い軍艦が出てくる必要はない。レベルが低かろうが、日本は手出しできないということがわかっているわけですから、既成事実をつくってしまう。そういうことをやっていくだろうと思います。それが一番怖いことです。それは私は当時から言っているんですけれどね。

山本 先生の話をずっと聞いていると、いま日本ができるのは、そこに先に何らかの施設をつくってしまうということしかないような気がするんですが。

 

73:日中共同開発で問題を解決する可能性は?

 

笹島 海洋調査の将来像なんですが、先生がおっしゃったように、民間の石油開発会社による石油開発自体は非常にリスクが大きい仕事ですから、それぞれの会社がボーリングのリスクを冒してやらなければならない。そうそうできる話ではないと思うんです。先に日本がプレゼンスを示すのは難しいと思うんですね。そうしますと、よく民間会社から出てくる意見というのは、日中共同開発ということです。

 

 

 

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