それ以来ずっとその状態が続いているわけです。やろうとすると日本政府が認めてくれないわけです。ここは四つの企業が加わっていますね。その話をしなかったので、ちょっとお見せします [東シナ海、日・台・中・韓の鉱区設定図] 。
四つの企業は、みな後ろに大きな大企業を抱えているダミーです。表だってはいませんが、いざやるとなったら奥の院から出て来てやることになりますが、今のところはみなダミーです。これは1968、1969年の時です。これは文革の終わりの時ですから、文革の騒ぎの時にも、中国はちゃんと世界を見ているということですね。当時まだ中華民国が日本やアメリカと関係を持っていたときですから、中国は主張しませんが、中国も同じです。赤は台湾ですが、事実上中華人民共和国と同じ。赤いところの領有を主張し、鉱区を設定したわけです。韓国が青い部分です。ギザギザは日本企業が設定したところです。これが重なったわけですね。
そこで矢次一夫さんあたりが中心になって、経済人と議員を中心として、ここを共同開発しようと。政治問題を除いて、つまり主権問題を棚上げして進めようという話が進んでいたんです。それが進んできたところで、突如中国側がおまえ等何をしているかといって領有権を主張して一喝したんです。そうしたらそれでもうやめちゃったんですね。その時の日本側は四つの企業がここに鉱区を設定したわけです [鉱区の設定図] 。これは鉱区の設定を申請しただけで、それ以上は進んでいない。一切ここでの調査、探査は認めないということで、いまだにこのままになっています。
「うるま」は日商岩井のダミーです。尖閣のところを持っている沖縄のオオギジャさんはここは戦前から執念で気がおかしいと言われて馬鹿にされながら、ここの石油が出るということを調査していた。ここで1969年に出るということになったときに、日商岩井が協力してやろうという話が出てくるわけです。当時日商岩井の副社長をしていた荒木正雄さんが社長になって、かなり力を入れてやろうとしたわけですが、いまだにその人がずっとここの社長をやっています。この人は文化人です。私は研究者ですから、あまり特定の政治家とか企業とは接触しない、お金をもらったりするとよくないですから、そういうことは避けていますが、うるまの社長はそういう人ではない立派な人です。専門家が見て、これは油ではなくてガスだと言ったのは、日商岩井の専門家です。
それから「ふよう」というのは富士銀行ですね。ですからみなその背後に日本の資本があって、それでダミーの形でやっているけれど、全然進まないわけです。通産が許可しない。通産に掘りたいと私もいった。そうすると今度は、外務省が許可しませんとか、みんな逃げてたらい回しをしているわけです。
66:えらい役人ほど国会答弁風になる
加藤 先生への質問というより、シミュレーションのようなことですが、明らかに日本の領域とか経済権益が侵されるときに、自衛隊・防衛庁のえらい人など、上に行くほど国会答弁風になるようなプロセスのことなんですが、こういうことが起こっても、一つは準備しておかなくてはいけないということですし、報道がちゃんとして国民に知らせなければいけない。その報道なり事実を知ったら、政府というのはやるべきことは、少なくとも抗議すべきことは抗議をすべきだと思うんですが、それについて防衛庁か外務省とか海上保安庁のえらい方というのは、どういう認識なんでしょうか。