特に海上保安庁の人なんて本当に歯ぎしりをしていますね。問題は、それが上に行けば行くほど、国会答弁みたいなことになるわけですね。
私がこういうことをやりなさい、と言ったときに、防衛庁・自衛隊のえらい人たちに意見を申しました。同時に自分のやっていることは間違っているかどうかを聞くんです。なんの反論もないわけですから、自分がやっていることがおかしいのかなと疑ってしまうわけですね。そういう意味で、比較的親しい人たちがトップないしそれに近い地位についたときに、表敬に来ましたということを口実にして、実はこうなんだけれどどうですかというと、その人たちも現場の指揮をやっていたときにはそうではなかったんだけれど、えらい地位になると、国会答弁みたいなことを言うんですね。
60:自衛隊のトップは目を覚ませ
ほんとうに自衛隊から私は裏切られたなと感じたのは、「平松先生、そんな寝た子を起こすようなことをする必要がどうしてあるんですか」というんですよ。私は自分の本に書いていますが、幕僚長級から何回も言われていますから。なんでそんなことをするんですか、と言うから、「そんなことを言っていたら、最後は取られちゃいますよ、だからちゃんと目を覚まさなければ駄目ですよ」と私は言っているんですけれどね。名前を挙げたいぐらいですよ。
61:沖縄の日米空軍の共同統合運用を考えるべきだ
潮 私は航空自衛隊出身の潮と申しますが、以前防衛庁の広報誌を編集しておりましたので、そういうことで名前を挙げるのなら私ももっと挙げられるぞと思って聞いていました。(爆笑)
私は先生の話を賛同して聞いていましたが、一つ質問というか意見というか、こういう見方もあるのではないかということを申し上げようと思います。南西航空混成団つまり航空自衛隊の沖縄における航空戦力について、充分ではないというご指摘は事実関係として全くその通りだと思うんです。ただ同時に、あそこには、地域において最強と言うべき米空軍力と海兵隊の航空戦力がございますので、その共同統合運用を考えればそれほど憂慮する必要もない。逆にその前提がなければ、先生がご指摘の通りのことになる。私はそういう見方が成り立つのかなと思って聞いておりました。
62:アメリカの空白を埋めるような形で中国が出て来た
高瀬 日本郵船出身の高瀬と申します。先生のお話を聞いていると、中国の意図としては、東シナ海では資源の確保で、南沙諸島付近ではシーレーンの確保ということでしょうか。
平松 すべてです。南シナ海にも資源があります。資源というのは何も石油だけではなくて海洋資源ということです。そういう話までしませんでしたが、中国の意図はどこでも同じです。