だから領土問題に介入しないというのは尖閣も同じなんです。ところが、カート・キャンベルが言い出したのは、あれは安保条約の適用範囲だということですね。要するに日本の行政管理下でしたか、管理下にあるところには安保条約を適用するといった。だから適用するんです。つまり、主権問題については中立、それはしょうがないです。しょうがないけれど、アメリカは守るといっている。
52:中国潜水艦の動き
川村 ほかにございませんか。宝珠山さんどうぞ。
宝珠山 いま水上の話を中心にお聞きしましたが、水中での行動もあると思いますが、どうご覧になっておられますか。
平松 いろいろやっていると思いますが、その辺になってくると、私の領域外の問題です。かなりのことをやっているだろうと思いますけれどね。
恵 私の友人にアメリカの海軍航空隊の部隊にいる人がいるんですが、宮古海峡において潜水艦が行動しているのは間違いないと捉えていましたね。水上艦艇が動いたときに、下の方には潜水艦がいることはほぼ確実だということを言っていました。
平松 これはもっと前の話ですが、中国が東シナ海に現れ始めたときに、ほとんど毎年のように、沖縄に行って、何らかの形で自衛隊と接しているんですが、軍事専門家たちが、中国の潜水艦は音が高いから簡単に見つけられるとおっしゃっているけれど、どうなんですかということを聞きました。その時の答えですが「堂々と日本の領海を潜水艦が突っ切ったことがあります」と。領海の中にいるときにはわかっている、つまり島と島との狭いところを通ったわけですが、その時はわかった。ですから、実際に突っ切っています。堂々と突っ切っているそうですが、それ以後はそのことについて聞いていません。
53:アメリカは中国のことを慮ってあまり詳しいこと日本に教えない?
岡崎 質問と感想ですが、アメリカの専門家とは、もちろん始終すりあわせをしておいでになると思うんですが、どうですか。それが質問です。
それから私が考えていましたのは、南沙群島の話になると、アメリカは人工衛星で全部見ているんですが、うちが情報要求をしても、アメリカは中国のことを慮って、あまり詳しいことをくれないのかなという感じもするんですね。
それで話が飛ぶんですが、日本が持とうとしている人工衛星ですね。あれは私は最初は持つことに疑問があったのですが、あとで考えを変えました。アメリカが中国の感情を慮ってあまり詳しい写真をくれないようなら、日本が人工衛星を持つのも意味があるかなと思うようになりました。そこで質問ですが、先生がご接触になったアメリカの専門家は、詳しい話は知らなくても元の情報は持っているわけですね。元の情報があって、あとは一般論で先生とお話ししているんだろうと思うんです。どの程度までオープンに話してくれますでしょうか。
平松 それ(接触)はないですね。