日本財団 図書館


28:200カイリを適用した日本の水域地図

 

ところがこれにそれなりの根拠があるのは、ある海事関係の組織、海上保安庁とかから金をもらって、やっている組織ですが、そこが日本が200カイリを主張する時代になったら、日本の水域はどういうふうになるかという地図をつくり、そこにどういう資源があるかということを調べたものがあるわけです。

[200カイリを適用した日本の水域地図] 日本が経済水域200カイリを適用するとこれだけになるということです。あそこは満州ではなくて、南鳥島です[一枚の図に収めるために、最も南の海域部分が便宜的に中国東北部のあたりに描かれている、そのために]余談ですが、私がこれをつくったのは十数年前で、私のせがれがまだ中学生ぐらいだったのですが、私がせがれにこれを見せて、「どうだ、日本という国は陸の面積は小さいけれど、海になるとこんなにでかいんだぞ」といったら、せがれが素っ頓狂な声を出して、「お父さん、いつから満州が日本の領土になったんだ、また植民地になったの」というから、そうじゃないんだと言ったんです。(爆笑)

 

29:日本の面積は世界第7位

 

現実には竹島と尖閣列島はペンディングになっていますから、実際はこう水域が小さくなってしまいますが、竹島と尖閣も適用するともっと大きくなって、200カイリをそのまま適用すると、日本の水域はロシアを抜くということで、非常に広いわけです[経済水域面積の国別順位表、日本は7位で386万km2となっている]。つまり日本は陸地の面積は小さいけれど、水域は非常に大きくなるということで、したがって、日本はこの水域を活用して守らなければならないということを私は言っているわけです。

そういうことが公に言えるようになったのは、日本が海洋法条約を批准するということで、いまから4、5年前で、ようやくそういう時代になったわけです。それまでは日本側は、そういうことを口にすることを非常に憚った。

 

30:中国側が中間線を超えて入ってきたことを国民にちゃんと知らせよう

 

そうなると中国側は、沖縄トラフが中国の大陸棚であると主張しているわけですから、こちらに入り込んできても、日本側としては、何も言いようがなくなるではないか。既成事実がつくられていくだけだから、早くしなさいということで、産経と飛行機を飛ばして撮りにいったわけです。それで国民にちゃんと知らせよう、とやったわけですが、その時まで海上保安庁はあまり私に対して好意的ではなかったのです。ところが実際に中国側がこの中間線を超えて入ってくるようになった。その時になって海上保安庁が私に謝罪してくれました。平松先生の言うことが正しかった、われわれは甘かった。海上保安庁は非常に素直に謝ってくれましたが、外務省はいまだに何もなしです。海上保安庁は長官まで出て来てくれて最敬礼してくれました。この長官は、沖縄の本部長の時に、海賊まがいの行為を中国がやったらしいということで産経と報道に行ったときには、非常に私を敬遠しました。それが最敬礼してくれたのです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION