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それをいろいろな方がどのようにお使いなさろうと、曲解されない限りは大いに結構だと思っています。私のものをかなり勝手に無断で使っている方もいらっしゃるようで、それについては訴えたほうがいいという方もいらっしゃいますが、私は自分の研究がひとさまの役に立つから使われているのですから、それはそれで構わない、ただねじ曲げられたら困るけれど、それでなければいい、ということでやっています。

今日は、これまで中国の海洋での動きについて、自分がどのように追いかけてきたかという実際の話も含めてお話したいと思います。こういう場ですので、人の悪口を言うかもしれませんが、差し障りのない形で申し上げたいと思います。(拍手)

 

2:西沙の飛行場全貌

 

[写真1:西沙の飛行場全貌] これは飛行場ですが、どこの飛行場だと思いますか。最近私は幹部学校でも最初にこれをお見せすることにしているのですが、これは西沙諸島です。この写真は、何年か前に、いま読売のデスクをしている親友の浜本と、この飛行場を突き止めようということでやったものです。ちょうど浜本が香港返還で、香港支局長になっていく前に、最後に日本でやった仕事がこれでした。これは海洋衛星の「もも」で撮ったもので、ここにありますように、東海大学の坂田[俊文]先生に協力していただいて突き止めたわけです。

当時、西沙に飛行場ができたらしいという情報が流れてきました。そのときに、これを突き止めたいと思って、読売の浜本と会いました。その時に「読売新聞で飛行機をチャーターするから、一緒に乗って現場に行ってください」というから、「冗談じゃない、馬鹿言え、そんなことをしたら撃墜されるだけだ」と言って断りました。浜本は親友ですから悪口は言いたくないのですが、その時に僕が驚いたのは、大新聞の記者が、こういうところに飛行機で行けると考えていたことです。そのことに衝撃を受けて、「そんなアホなことはできない。まず接近できないし、接近したら間違いなく落とされるから俺はいやだ」と言った。「駄目ですか」というから、「それは方法はある。衛星で撮ればいいだろう」ということでやったわけです。そこに至るまでの経緯にはいろいろ面白い話があるんですが、それは別にして、坂田先生に頼んだんです。

そうしたら坂田先生は、そんなことをやっても駄目よ、と言われたのです。「こういう問題はあなた方個人がやる仕事ではなくて、国家がやる仕事だから、そんなことはやめなさい。日本のやっている衛星はこんな程度にしか撮れないんだから、そんなことをやっても駄目だ」と言われました。「われわれは、あることが突き止められればいい。どの程度の規模でどんな施設があるとかはいい。とにかくあるかないかだけを確認したい。それを国民に知らせる義務があろう」ということを二人で言って、協力していただきました。

 

3:西沙諸島の衛星写真

 

それがこの写真です [写真2:西沙諸島の衛星写真] 。これは1989年6月1日に撮ったもので、はっきりと滑走路があることがわかります。

 

 

 

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