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日本については、いつも大内が出て来て何でも話していると言われるよりは、いろいろな人が出た方がいい。

それで私はいろいろな方をこれまでにお誘いしたことがあるのです。でも、お招きしても「旅費が出るんですか」と聞かれて、「いえ、出ない」と言うと、「それじゃあ……」といって来られないんですね。SEAPOLの会議には、相当関心を持っている国際法学者はいます。そういうことで、できるだけインスティテューションとしてご関心を寄せていただければいいんじゃないかと思います。私もまもなく2001年春に定年がきますので、そうなりますと、もうあまり出られないと思います。そうすると日本人の出席がゼロになるんですね。非常に寂しいことだと思います。テーマによりましては非常に政治的なものもありますし、それなりに専門家を仕分けしてきます。SEAPOLにはさまざまな専門分野の会議がありますが、それで私も私の専門外のところには呼ばれることがないんですね。

そういうことで何か一段、ここで区切りましてSEAPOLについて話を終えようと思いますが、ご質問はありませんでしょうか。大したことないなと思われたかも知れませんが、川村さんと小川さんが来られて、英語で全般的な日本の最近の状況についてイブニングミーティングの時に話をしていただきました。あれは非常に効果がありました。日本人は英語ができても喋らない人が多いものですから、あのときは30分ずつ一時間話していただきましたが、大変評判が良かったです。

 

9:マラッカ海峡通航税制度だけはさけるべきだ

 

山本 海峡の通航料の件でお伺いします。6年程前に、私がまだ現職(の自衛艦隊司令官)だった頃の話です。東南アジアから、研究交流メンバーが訪日し、自衛艦隊司令部を訪問したときのことだったと思いますが、その中の一人が、「マラッカ海峡を通過する船舶は通航料を支払うべきだ。高速道路だって通行料を取るじゃないか」と言うんです。それを誰がとるのかと聞いたら、マレーシアだという。マレーシアが国際海峡の通航料をとるのはおかしいなと思ったんですけれども、今日の話だと、いわゆる公海の安全を確保するためとか、環境整備だとか、そういうことのために通航料を消費税みたいな形で支払うのであれば合理的だと思うんですが、果たしてどこが管理することになるんでしょうか。

大内 今のところ彼等の主張は沿岸国ですから、マレーシアですが、そのための国際機関がないんです。

山本 ですからそこが問題ですね。それがあのへんの沿岸国だけの機関になってくるわけですね。そして、その機関からいろいろ規制とかも出てくる。

大内 そうなんです。その国がひとつ反対したら海峡を通れなくなりますから、それが問題なんですね。万が一ということですね。

山本 そこを解決すればいいんですね。先程おっしゃったように、アメリカが一番心配しているのは、いわゆる軍事力を展開するためのシーレーンが制約されるということなんです。わが国も同じ立場ですが、艦船の通航に制約を加えることなく、通った分だけ金を払うというシステムが確立されればいいんですね。

大内 そうですね。だけど、今のところ、ご承知のように通過通航権というのが海峡にできていまして、その航路だけは公海と同じように自由通航なんです。

 

 

 

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