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2:SEAPOLの成立と発展

 

今日は、じつはSEAPOL(South East Asian Policy and Law)1 のご紹介をしてくれないかとのお話がありましたので、私はそれをおもに考えて参りました。SEAPOLは、ご承知のようにNGOです。タイ国のNGOとして認可を得た団体で、政策と法について研究している団体です。あまり皆さんご存じないかも知れませんが、意外に安定した非常に成熟した民間の研究団体です。現に私はもう14、5年前から出席しておりますが、その間にもちろん小田先生も何回か来られて基調講演をされていますし、海洋法裁判所のパク・チュンホ判事も常連です。あるいは外務省からもだいたい毎年1名から2名は来られます。

会議を実施しますと、現地の外務省、あるいは領事館の方々もよく出席されます。その割にはあまり日本では知られていないんですが、会議に出ますと非常に情報が入る。その情報が、政府を通して入るのではなく民間を通して入ってくるところに特徴があります。政府の役人も個人の資格で出席するから、そこに出ている人たちは、インドネシアのジャラール博士のように思い切ったことを言って帰られます。ベトナムも入っていますし、今度カンボジアも入りました。ミャンマーだけがまだ入っていません。

私はいつも、「こんなに有意義な会議なのに、どうして日本人はもっとたくさん来ないのかな」と思っていました。そうしたら、学者は旅費が出ないと来ないということがわかりました。特に日本の学者は旅費を自分で負担してまでは会議に出ない傾向がある。しかし私は、少ない給料から自前で往復の旅費を出して、SEAPOLの会議には、出席してきたんです。

旅費についてのSEAPOLの方針ですが、SEAPOLの主な出資者はカナダ政府で、カナダ政府が「先進国の学者の出席者のためにはこの金は使うな」と言うのです。カナダ人と開発途上国の研究者の往復旅費は提供できるのですが、日本人の分は出ない。中国からは、ワン・チェイヤなどの大物が次々に来ていますが、この旅費は出している。

なぜ、わたしが自腹を切ってまで行くかというと、帰りがけには本当にもう論文が二つできるぐらいの資料が入ってくるんです。しかも相当権威のある人物の報告がなされます。

もともとSEAPOLの生みの親は、モフター(Mochtar)というインドネシアの元外務大臣でして、彼が中心的役割を演じています。最近は、脳梗塞になりまして、出席していませんが、それでも中心になっている。ほかにも各国の外務大臣クラスがよく出入りしますし、そういうところでけっこう資料が入ってきます。

 

3:マラッカ海峡についての議論

 

マラッカ海峡については、毎回話題に上がります。マラッカ海峡に関する発言は、予定されていない議題のときでも、まったく自由に飛び交います。そういうときに何となく、東南アジアの国々のものの考え方や、いわゆるアジアの問題に対するアプローチや、日本その他の先進国をどのように見ているかという、彼等の心情的な側面もわかります。それで、私は外交をする人たちは絶対にここには来たほうがいいと思いながら出ています。

 

1 http://members.tripod.com/a_chotilersak/board.htm

 

 

 

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