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そういう意味でみますと、依然として日本人一人あたりの主食では魚が多いということがいえます。

 

[図11、12 食品群別摂取量]

食料関係の統計には大きく分けて二つあります。一つは農水省の統計で、図10のような「食料需給表」です。これは、生産量とか貿易量とか、そういうものから組み立てていく加工統計です。それに対して、図11は厚生省の「国民栄養の現状」で、俗に「栄養調査」といっていますが、標本調査です。1年で生活が一番安定していると思われる11月の1日を標本にとって調べます。そういう意味ではあまり頼りにならない面もありますが、その代わり中味がよくわかります。図12にございますように、年齢別に平成4年と8年で、どんなものを食べているかを比べてみますと、米類はどちらもご覧のように冴えないのですが、年を取ると緑黄色野菜が若干増えます。それよりも魚介類が増えて肉類が減ってくる。牛乳は結構それなりに摂っているのですね。一つは、高齢者が子供のときに魚を食べたということで、嗜好は二十歳までに作られるといいますから、いまの高齢者はそういう世代なので魚を食べるということもあるでしょうし、最近、魚はヘルシーだ、健康食品だという見直しもあって、こういう状態になっています。逆にいえば、若い人たちの魚離れ、骨を外すことも知らないとよく言われますが、そういう状況も出てきて、先ほど私は魚に対する需要が増えていくと言っていましたが、長期的にはそうではないのかもしれない、分からないですね。ただ、この人たちも年を取れば魚を食べるかもしれませんし、年寄りも長生きして、食べる量が減らなければ、当分、魚の需要には依然として根強いものがあるだろうと思っています。

 

[表2 漁業経営体数、漁業就業者数の推移]

これは供給側の就業者とか経営状態ですが、経営体数が減っていることは予想通りです。就業者は年齢別に出ています。就業者の全体数が減っていますが、なかでも高齢化した部分が残って、若いところがどんどん減って、将来的には非常に大きな問題になるでしょう。先ほど省力化で魚を取るという話をしましたが、就業人口や年齢構成の点でもエレクトロニクスを省力化の方に使っていかなくてはいけないと思います。危険な仕事でもありますから、ロボットで省力化、労働節約をやっていくということも、こういう構想からいくと工夫されなければいけないと思います。

 

[表3 水産物自給率(南米・アフリカ・オセアニア・東欧・北米・西欧・アジア)]

世界の話ですが、これはFAOの統計から大急ぎで作ったので、元データは大きな表にございますが、グラフの方だけ説明させていただきます。自給率です。国内の消費量に占める国内の生産量の百分率というのが自給率で、うるさく言うと、この計算はいろいろ議論がありますが、一応FAOの資料によります。農水省の「食料需給表」を出しましたが、あれはFAOで統一した方式なので、それに基づいた形で出しています。

これは魚、水産物の自給率ですが、アフリカは最初はあまり食べなかったのでしょうね。圧倒的に高い自給率だったのですが、それが最近はガクッと落ちています。

 

 

 

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