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うみのバイブル2000(上)通巻第6巻

 事業名 公海の自由航行に関する普及啓蒙
 団体名 国際経済政策調査会 注目度注目度5


私は「食糧管理法の2段階改革案」を出しました。「コメ関税化交渉」は実質的には私の提案に近い形で妥結しました。

当時、細川内閣はミニマムアクセスを受け入れて関税化を断ったと言いましたが、実際は「食糧管理法」を改正するまでコメの関税化を延期したのであって、「例外なき関税化」を拒否したわけではないと思います。「食糧管理法」が意外に早く廃止されましたので、政府は安心して関税化に踏み切れたわけです。これからは関税水準をどう設定していくかがWTOの問題になっていきます。

 

2:世界は食糧危機なのか?

 

ところで、「世界の食糧危機」ということがよく言われています。水産関係の多くの人たちの論文を読むと、世界は21世紀には食料不足になるから、水産資源を開発してそれを充足しなければいけないという論調が圧倒的に多いようです。しかし、本当にそうなのでしょうか。どこに21世紀の食糧危機の問題点があるのでしょうか。人口は国連推計の中位数では、2050年に98億になるといいます。いま世界の人口は約60億ですから、これからさらにその6割以上が増えることになります。その分、1人当たりの食糧消費量は変わらなくても、食糧需要が増加することになります。

そのうえ、ご存知のように、食生活が贅沢になるため、食糧資源がたくさん要求されるようになってきます。よく言われますように、畜産物の生産にはその数倍の餌が必要です。胃に直接負担をかける量は変わらなくても、食料消費の重点が穀物から畜産物に移行していくにつれて、その背景では畜産物の生産に数倍の餌が必要になる。したがって、1人が消費する食料資源は増加が予想されます。それだけに、人口増加に加えて、食料消費の構造変化によって、世界の食糧需要を充たすのには非常に多くの資源供給が要求されることになります。つまり、その充足可能性が問われます。

ところが、1960(昭和35)年から1990(平成2)年までの30年間に、穀類生産は約2倍に増加しています。穀類というのは主食にもなりますし、畜産の餌にもなります。ですから、食生活の中核となる部分が主食と動物性食品であるとすれば、穀類の動向を見ますと、だいたい食料の需給関係について想像が付くわけです。食料自給は熱量換算で今は42%しかないということが指摘されますが、穀類自給率の方は30%を割って、もう27%しかないという状態になっています。食料自給率は栄養換算と穀類換算とでは数字が違いますが、いずれかの時間的推移をみていますと、需給動向はわかるはずです。

少し横道に逸れますが、世界は30年間に穀類生産を2倍に増加させたといいましたが、この穀類という言葉にも使用上注釈がいります。一般にgrainを穀物と訳しますが、国連の食料・農業機関FAOではgrainというと、コメは含まれません。grainにコメを足してcerealと呼んでいます。ここではcerealを穀類と訳しておきます。

それはともかくとして、世界の穀類生産は30年間に2倍になっているわけですが、1990年から2050年までは60年間あります。そうしますと、30年間で穀類生産が2倍になったのですから、60年間で4倍になってもおかしくないという議論が出てきます。

 

 

 

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