30:米国の岩塩ドームに韓国、サウジが備蓄する話
加藤 沖縄なのかどこかと言うけれども、いろいろな契約できちんとルールを作るとしても、最後は持っている国が強いですね。ですから、自分の国以外にお金を出して備蓄しようということはしないでしょう。自分の領土以外のところに備蓄のために金を出すというのは考えられない。
十市 そうでもないんです。これは議論の段階でまだ実現していませんが、例えばアメリカの岩塩ドームの例をご紹介しますと、これが備蓄としてものすごくコストが安い。韓国やサウジがアメリカに備蓄するという話は、議論はされている。最後は、今おっしゃったような自分のテリトリー以外に備蓄を持つことの意味のところが引っかかっているかもわかりません。
曽我 韓国は検討しているようです。サウジアラビアは岩塩ドームを借りたんです。
加藤 サウジは、自分のところが産油国だからそれはあり得るでしょうね。沖縄に、よもや他の国が出すとは思えない。
31:ディストリビューション・センターが結果としての備蓄になる
大越 アメリカの場合と日本の場合というのを同じに考えているわけですか。世界を一国でマネージメント、コントロールできるような国アメリカと、動けない日本。しかも中国に言えばフラフラっとする。よその国ではふらふらとする。そういうところには、危なくて備蓄というものを任せられませんよね。だから備蓄というアプローチからすると、説得性に欠けると思うんですよね。山本さんが言うみたいに、これで中国に揺さぶりをかけるという意味でのレバレッジというか面白みがあるんですけれども、そこを人に説得するときに、今の説明だと何か私自身もなかなか納得できないなというのが。
十市 これは本来の備蓄ではなくて、ディストリビューション・センターです。
曽我 結果的に備蓄になるということですね。
十市 そういう備蓄のアイディアもある。両方二つあるということですね。
曽我 私の整理が未完成で一番最後のところはおかしな表現をとっています。
加藤 何のために考えなければいけないかということですね。
32:なぜULCCは減ったのか
高瀬 曽我さん、ちょっと質問があるんですけれども、なぜULCCは減っちゃったんですか。ULCCは一時期ワーッと増えましたよね。しかし、オイルショック以降、ほとんどなくなっちゃったというか、新造船はほとんどできない。日石にしては「にっせい丸」まで売り払っていますね。あれも原因があまりよくわからなかったんですが、結局原油価格が上がりに上がりすぎたので、大きなロットの取引が負担になったからかなと思っていたんですが、そんなことはないですか。
曽我 これは船関係の昔をよくご存知の70歳近い方から二、三ヶ月前に伺ったお話なんですけれども、「沖縄になぜ50万トン桟橋を造ったのか?」という疑問がある。誰が造ったんだろう。ガルフが造った。ガルフがどうして50万トン桟橋を造ったのか。