日本財団 図書館


18:中国の南部は輸入国、北部は輸出国

 

秋元 素人の質問で申し訳ないですが、中東の原油の、そういうサルファー分のものを持ってくるとなると、中国だって原油価格は低いほうがいいわけでしょう。

曽我 ただですね、中国というのは石油に関しては二つの国である。ほんとうは、四つぐらいに分けなければいけないと思うんですけれども、とりあえず北と南に分ける。すると、南は輸入国、北は輸出国です。ですから輸出国である北のほうは、価格が高いほうがいい。原油を輸出・開発している人は原油価格が高いほうがいい。一方、南は買う方ですから、安い方がいいと思っている。

 

19:中国のパイプライン計画

 

秋元 もうひとつ、しつこい質問ですが、パイプラインのことです。中国のパイプライン計画が24ページにありました。実線が既存のパイプラインですね。点線が計画ですが、パイプラインで引っ張るよりも、マラッカ回りのタンカーのほうが安いですか。

曽我 実線は、北のほうの油田から輸出するためのものです。ですから船で行けるところは船のほうが安いのであまり海岸沿いはパイプラインがないんです。内陸のほうに輸送するためには、例えば、揚子江のちょっと上の武漢の西の方までありますが、揚子江では船で上がって行くよりもパイプラインを引いたほうが安いからです。揚子江を上がっていく船が小さいからです。

 

20:中国の北と南の価格差は?

 

小川 中国国内のこの石油の価格というのは何ドルぐらい、北と南で違うんですか。

曽我 基本的には北も南もほぼ同じ価格です。現状を申し上げますと、原油を販売するときに税金をとっているということになります。石油製品もそうです。ですから石油製品はナフサとか一部あるかも知れませんけれども、輸出は大きな数量にはなっていない。お答えにならないかも知れませんけれども、国内価格は、いまは海外の価格よりも高くしている。そして、国内価格そのものは基本的には一緒だと思います。

 

21:中国の内外価格差は2$/B程度

 

小川 どれぐらい国内の価格が高いんですか。

曽我 その時々で違いますが、2$/B程度は国内のほうが高い。そういうことはよくあります。ですから、命がけで輸入をすれば、それで一生食べていけるお金が稼げるというようなことです。

十市 基本的には自由化しているのです。かつてはかなりコントロールしていたものを、基本的に国際価格とリンクさせる方向に向くことにした。あとは製品価格にものすごく高い輸入関税をかけていますけれども、ちょっとそれも変えていますから、ものすごくややこしい。でも、今は基本的にあまり差がないんです。そう理解してくださって結構です。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION