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21:沖縄の有効活用

 

22、23ページは、沖縄をどういうふうに有効活用したらいいのかということを研究するとしたらこんな体裁であるでしょうということを、ご提案をしたいと思いました。23ページの研究深耕というところで、私が最近一番課題に思っていますのは、原油タンカーの復航商品、これはいま海水を積んでいる。要するに原油をあげますと、からぶねになってひっくり返りますから、だいたい30万トンタンカーですと10万トンぐらいは海水を積んで帰って、中東に行くまでに降ろして、また原油を積んで、海水を移動させていることを30年間われわれはやっているわけで、これを、石油製品を積むか、あるいは中東向けには真水を積むか。先ほど申し上げました、ダブルハルタンカー時代を迎えて、いろいろな設計ができてくるし、しなければいけない。昔のように設計していることはない。そのチャンスをどのように沖縄ともからみあわせて、沖縄には50万トン桟橋が二つあるわけですが、キイレにもひとつありますが、50万トン級、45万トン以上50万トン級のものが世界に十隻ないと言われています。バースはあるけれども、船がないというような状況がどうしてできたのかということが最近わかりましたけれども、そんなことで、最後の「琉球国は南海のすぐれた地であり、韓国、中国、日本と深い関係にあって、船舶をもって万国の津梁となす」(陳舜臣)というようなことを沖縄は考えていたようです。そんなこともいつも学んでいます。

次の24ページに中国が沖縄を使い得るのかということをちょっと申し上げます。これは真ん中へんに揚子江、長江があるわけですが、そのところ、入口に金陵という金陵石化というのがあって、五月にたまたま私が伺ったときに、彼らはオズバーグ原油を買うのを決めたんだということで非常にねむたそうにしておられました。オズバーグを買うために北海原油ブレンドの原油のペーパーヘッジを午前3時頃までやっていたんだというようなお話をされていました。これは3万トンの船でないと揚子江をあがれないということで、必ず大きな船でどこかにあげる。最近は舟山というところ、上海のところに降ろしますけれども、そこまで10万トンぐらいでつけて、それから3万トンで持っていってというふうなことをやっている。それからトタール大連製油所のほうでは、このトタールは日本の沖縄とかキイレ基地を貸してくれないか、という打診をしているところでもあります。

そういう意味で、中国というのは非常に小さな船でないと着かないところが相当ありまして、いずれにしてもどちらかのターミナルを使わなければいけない。それを今のところでは中国のコストの安い人件費などで、いろいろなとこで小さな船で少しずつ動かしている。

具体的に沖縄の有効活用が中国の現状においてどんな形のコストになるかということを試算したものがありましたので持ってきました。現在の中国の現状、例えば南京地域の製油所で原油調達運賃、これは10万トンでもってきて、舟山から南京まで3万トンで運ぶということを考えていきますと、1バーレル当たり2ドル70セントぐらいなんですが、沖縄で大きな船で持ってきて、南京まで行くと2ドル54セント。ほとんど同じぐらいなんですが、今後50万トンぐらいで沖縄に入れて、そして中国向けに持って行くというふうに、その頃は中国はだんだん需要量が増えてきて自分のところも増強しなければいけないということになると思うんですけれども、その時も中国国内で増強するのがいいのか、それとも沖縄を有効活用したほうがいいのかということで、そういうときにチャンスがあるのではないか。

 

 

 

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