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20:参考

 

ここはこのぐらいにして、21ページにまいりますけれども、これは岡崎さんの『アジアの中の日本』というところですが、要するに高句麗のことだと思うんですけれど、非常によく韓国が守ってくれたから、日本はモンゴルがきたとき台風でなんとかできたということしか教わっていないんですが、じつはその他に韓国が守ってくれたので日本までこなかった戦争がたくさんあるというふうに岡崎さんはおっしゃっていると思うんです。先週、韓国人と話をしたら、いや、中国ではもっとすごいこと言っていたよと。万里の長城を造ったのは韓国が攻めてくるということを守るために最初は始めたんだということを中国人は言っているという話を聞いてびっくりしましたけれども、そんなこともある。

それからこの『閔妃暗殺』という角田さんのお話の中では、世界銀行とか米国輸出入銀行が浦項(ポハン)の製鉄、世界最大級ですけれど、その製鉄所を造ろうというときに世界銀行、米国のほうは危ないからいやだと言ったんですけれども、日本が手伝ったということを非常に感謝しているという話です。あまり私も知らなかったんです。

それからまん中の、岡崎さんの論文の主旨は、日米同盟とともに日韓・韓米の同盟も北朝鮮・中国に対処するために重要であると考えられているかと思います。この同盟を経済活動の中で特にアジアへのエネルギー供給システム面から支援することを検討する価値があるという意味で、欧州と同様の平和確保後の東アジアにおけるエネルギー供給面での国際的経済効率競争を準備するという活動が必要ではないかという意味で沖縄の有効活用というのを位置づけられると思います。

それからクリストファー・ソーンさんの『太平洋戦争とは何だったか』は、太平洋戦争とは基本的にはイギリスと日本との戦いで、アメリカと日本は戦ったわけではないというような指摘がありまして、日本の姿は国際舞台に遅れて登場したものの悲劇的な姿であって、それを悲劇的にしたのはアジアの人びとに対する無理解な態度であった。韓国と一緒に戦ったらよかったじゃないかということをこの人は言っていると思います。

それから茅原さんという防衛研究所の『中国 エネルギー戦略』のこのくだりは、エネ研の小山室長がお書きになったところですが、この中で「安全保障対策を推進することはコストを伴うものである。問題なのは日本にとってどの程度のコスト負担ならばエネルギー安全保障のために許容できるかということである」と書いてあります。この安全保障対策というのは逆にプロフィットを生み出すものがあるかも知れないという意味でも捉えていかなければいけないなという考えを持っています。

 

 

 

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