日本財団 図書館


ということで、日本も現在ダブルハルタンカーを造っておりますけれど、だいたいこのマラッカ海峡が通れるぐらいの大きさにセーブしているというのが実状かと思います。

この面では韓国と日本というところで見ますと、沖縄は28mの喫水です。ヒュンダイは31mあります。ヒュンダイというのはソウルに近いほうの韓国のリファイナリーです。それからユコンのSKは24mです。したがって、はじめに書きましたけれども、50万トンタンカーを持ってくるという意味ではヒュンダイは可能だと思います。着くところの岸壁の問題がありますけれども、その改造をしなければいけないかと思いますが。50万トンタンカーは沖縄とキイレとヒュンダイにはつくのだろうと思います。

 

16:ノルウェーの原油生産と輸出

 

次に12ページですが、ノルウェーにおきます地域別の原油輸出量について書いてありますが、ここで申し上げたいのは右下にちょっとアジアというのが出てまいりました。ノルウェーからアジアまで運んできてペイするのか、という話なんですけれども、先ほど申し上げましたようにアジア向けの原油価格水準が高いということで、フレートが今大きな船で持ってきますと1$/Bぐらいで持って来られますので今度は2ドルも高いとむこうのほうからアジアに売ったほうがいい。ノルウェーですと自分のところのシマに売りますと、向こうが暴落し始めますから違うところへ売ったほうが自分の価格も高く、逆に安くならないで済むし、他の国に売ったほうが得だというふうな状況もあるわけです。

13ページにまいりますが、ノルウェーのほうは300万B/Dぐらい生産をしております。埋蔵量はこの棒グラフの棒のほうですけれど、あまり多くありません。彼らは非常に特殊な原油開発技術力の情報交換制度というものをつくりました。自分のところにノウハウ、原油開発技術力をこの25年間で蓄積して、自分のところでは埋蔵量がだんだん枯渇のほうに向かいますので、メキシコ湾とか西アフリカとかアゼルバイジャンとかへ行って、海外の開発を現在進めております。メキシコでは10万B/D程度をすでに掘り出しています。

それから、企業別割合では、Statoilというのが57%を占めています。国営石油会社ですが、最近民営化しなければいけないということをやっております。それからNorsk Hydro、Saga(SagaはNorsk HydroとStatoilに買収されました)の三社が、ノルウェーの原油開発会社です。このStatoilは沖縄の原油基地を二年前に借りました。そこをキーステーションにして、中国へ原油を売るというようなことを考えています。今年からはさらに韓国の国家備蓄タンクを借りました。そこをスルーして中国に売っていくというふうなことをやり始めています。

 

17:中東原油の東西向け価格差変動について

 

次に14ページですが、ここではたまたまこの5月に渡欧して伺ったことで、これはオックスフォード大学のフォースネルさんという教授のところに行って議論したときに、「例えば沖縄に50万トン船によって1$/B以下で世界のいずれからでも搬入することができれば、理論的には東西価格差は1$/B程度以下に抑制される可能性がある」というようなお話を伺いました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION