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曽我講師のセッション

 

9:全体の概観

 

曽我 曽我でございます。私の名前は「蘇我入鹿」の蘇我ではなくて「曽我兄弟」の曽我です。それでは、お話をさせていただきます。

まず私の考えているストーリーをお話しします。先ほど十市さんからもお話がありましたが、エネルギー供給、セキュリティに関する考え方が欧米のほうで変わってきていますので、それを若干ご紹介します。それに対してアジアのエネルギー調達市場の脆弱性ということで考慮することがある。そして、2010年までに起こり得るアジアエネルギー危機の中に中国があるということを述べます。そのあと、今後のアジア政治危機対応課題ということで、岡崎さんの論文なども、こういう機会ですのでご紹介させていただきます。一般的関心事項としては中国の保有する原油船舶ですね。世界で一番大きい石油の船舶量、これは中国でして、こちらのほうも環境汚染対策課題というのがあるんです。これについては、たまたま私は、韓国人の船長さんで乗ってきた悪名高きといいますか「モーニンググローリーワン」という船があるんですけれども、非常に教育水準が低いことを正直にお話しされて、2年後ぐらいに3000万円ほどペナルティで保険会社から返ってきました。そういう船長さんが韓国人を使って、もちろん中国人もたくさんいらっしゃって、そういうような管理をして、たくさんの船が今マラッカを通行しているということに対する、日本を含めたアジア側の仕事があるのではないかということです。

一番下に、「欧州ではすでに平和を確立して脱ナショナリズム新時代へ」と書きましたが、これは岡崎さんの言葉の真似になりますけれども、そういうことで環境対策等、EU統合によって国際的経済活動競争力を強化する方向に地域として向かっています。ところが、日本とか韓国とか、そういうところがあまりにも連携プレーがなさ過ぎるという問題から、研究課題1] として「日韓石油産業の連携オプションの分析」をご紹介します。

もうひとつ、「ノルウェーの最先端原油開発技術力25年で確保実現」と書きましたけれども、400万人の人口の国が、25年前にはゼロのところから300万B/Dぐらい生産し始めました。日本は400万B/D強をいま使っているわけですけれども、ほぼノルウェー一国でそういうポテンシャルを25年間で持ったわけです。これは日本の原油開発技術力確保ということにとってはひとつの先例と言いますか、参考になるわけで、日本ができないわけではないと私は感じております。

そういう意味で、最終的に沖縄というものもひとつの課題かと思いまして、今回の課題があるので考えていたわけではないんですけれども、私が3年目になるエネ研で、1年ほど前からいろいろ考えたことを申し上げたいと思います。それが「沖縄石油供給システムの活用有効性に関する検討の必要性」ということです。これは「中国の国際競争力ある原油調達価格を実現することを支援しなければいけない」と書いたんですが、今は日本が買う価格でアジアのマーケットの限界が決まっています。一番高く買う国、買える国です。ところが2005年あたりに中国の需要量が相当増えてきて輸入国に転じるときに、中国が高い価格で買うと、その価格がアジアマーケットの価格になりますので、その点をいかにリーズナブルな価格で買って来れるかということを、沖縄を使って支援できるか、ということです。

 

 

 

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