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4:日本の中東への依存度

 

次の4ページにありますように、日本の石油輸入に占める中東依存とかが特徴に出てきているわけです。1998年まで書いてありますけれども、絶対量で見ますと1985年ぐらいがボトムで、原油の価格が1986年に暴落して以降、石油の消費も増えてきたということがありまして、ここ数年はちょっとまた頭打ちになっておりますけれども、かなり戻ってきた。一次エネルギーに占める石油のシェアも、1985年まではどんどん下がってきて、55〜56%になったんですが、その後若干上昇して、それからまた最近は減りぎみですが、それでも52〜53%ということです。原油輸入に占める中東からの輸入依存というのは最近では86%ということです。これは、中東以外のどこから輸入しているかと言いますと、アジアですと中国、インドネシア、それからメキシコ、そのほかオーストラリアとかマレーシアという国になります。メインはインドネシア、中国、メキシコあたりが、非中東原油としては大きなウェイトを占めていました。

ところがあとで述べますように、中国は石油のネットで輸入国になっていて輸出は減ってきています。インドネシアも石油については輸出余力がどんどん減ってきている。国内の需要が増えて、生産が増えないということの結果、輸出余力がないということです。メキシコが同じような状況で、どちらかというと、近いアメリカ市場にどんどん油を出しています。かつてはメキシコはアメリカ依存があまり高くならないように、5割以上はアメリカ以外に輸出するという政策をずっととっていた時期があるのですが、経済原則の世界が入ってきて、近いアメリカ市場にどんどん油が流れるという世界になったということで、結果的に日本は中東から買う形になってきているのが現在の特徴であります。

下の図にありますように、国で言いますと、UAE(アブダビがメインですけれども)が28%で最大の供給。そしてサウジアラビアが24%。そのふたつで5割は超える。あとはイラン、カタール、クウェート、オマーンというところで、先ほど申し上げたように86%になっているわけです。

 

5:アジアの石油需要

 

こういう状況できたわけですが、一昨年のアジアの経済危機ということもあって、一本調子で右肩上がりできた世界経済の成長、石油の消費等にも、当然変化が出てきたのは事実であります。5ページにありますように、1998年にはアジアの石油需要はマイナス成長になり、韓国、ASEANの国がみんなマイナスになった。また今年は少し戻してきて、1997年の水準にはすぐには戻りませんけれども、かなり戻ってきているということで、経済がまた成長軌道に乗ればまた右肩上がりといいますか、増加のテンポは若干スロウダウンするかも知れませんけれども、増えていくのは必至であろうとみています。

アジアの国別の石油消費量では、この下の図で1998年の場合を見ますと、日本が29%、中国が22%ということで、日本と中国で半分を占めている。中国はこれからもっと当然増えていくわけです。韓国+台湾が15%、ASEANが16%、インドが10%(インドと南アジアを含めれば十数%)ということで、だいたい同じぐらいの形でバランスをしているということです。日本以外の国が石油需要の面ではかなり増加率が高い。これからもそういう傾向は続くであろうと考えております。

 

 

 

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