39:海上自衛隊を世界へ貢献させよ
アメリカも海洋法条約に入っていませんが、この問題には大変興味を持って、本格的な研究をすでに始めています。それでわが国はどうするかということですが、憲法第9条の自衛隊という問題もあってなかなか厳しいところもあります。そういうことをどんどんやって、世界に貢献する必要があるのではないかと思って、防衛庁に対して、いま大事なところだからわが海上自衛隊も海洋の平和利用というものを世界に訴えて行くことをやりましょう、そのことによって自衛隊の責任を、国民に対しても世界に対しても果たして行けると言っている。それで軍縮の問題をある意味では解消することができる。放っておいたら、絶対に海軍軍縮になるに決まっていると説得しています。
40:世界的反響を得たOPK (Ocean Peace Keeping)東京アピール
レジュメに書いておきました「OPK東京アピール」については、防衛庁との共同研究で、その成果を東京アピールという形で世界に発信したものです。この内容については、もし必要であれば、質疑応答のセッションで秋元さんに説明を求めてください。
それから最後ですが、そのように出したわれわれの共同研究の「OPK東京アピール」は去年出たIWCO(海洋問題世界委員会)の最終報告書“The Ocean... Our Future”の中に取り入れられております。これは国連の海洋行動計画になろうとしている文書ですが、今後手を加えるかもしれませんが、現時点で行動計画を作るためのたたき台として作ったものです。この初めの一章は、完全に僕らが考えていることを取り入れて書かれておりまして、その1章は「Promoting Peace and Security in the Oceans (海洋における平和と安全保障の促進)」というテーマで、海軍の平和利用について論じられています。
ただひとつだけ、残念ながら反対する人がいて、専門用語として採用されなかったのはOPK (Ocean Peace Keeping)という新しい概念で、われわれはこれを提案したけれども、OPKというところだけは反対者がいて、採用されていません。しかし、そのアイデアは取り入れられている。これははずせないと思いますが、そういう問題で、世界的な文書の中に、わが国の発想、オリジナルな問題意識が乗ったという稀有なケースだと思います。
41:国連総会に匹敵する海洋総会を常設すべきだが、日本政府は反対
この問題は現在論議されていて、国連の中に常設的な海洋問題に関するアセンブリーを作るべきであるといって、初めはWorld Ocean Assemblyという国連総会に匹敵するような海洋総会を常設すべきだと考えていたんですが、いまのところそうではなくて、海洋問題に関する常設委員会、つまり、オーシャン・ガバナンスについて常に検討していくような委員会を国連総会の枠組みの中で作るべきだという提案が、マルタやニュージーランド等の国から、去年の国連総会に提案されました。