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うみのバイブル2000(上)通巻第6巻

 事業名 公海の自由航行に関する普及啓蒙
 団体名 国際経済政策調査会 注目度注目度5


23:100億人が生きるには海洋を人類の共同財産とするしかない

 

このように、現代はきわめて危機的な状況にあるという認識を持ってパルドーは、海洋法会議の開催を呼びかけるんです。つまり生命というものの危機、破滅からの危機から救って、人間総体で生きていかなければならない。100億にもなるような人間の一部だけが生きるようなシステムを作れば、それでは最終的には人間は生きられない。どうやって、この地球の中で100億の人間が21世紀を生きていくのかということを考えなければ、最終的には人類そのものが崩壊すると考えるわけです。

そのための手段として、海洋そのものに、「人類の共同財産」という法的地位を与える。そのことによって、まず第一に海の平和を維持し、第二にはその海の資源を合理的に開発して人類の生き残りを図り、第三に、したがって海洋環境というものを、地球全体のレベルで本格的に考える。この三つを提案したわけです。

 

24:エリザベス・マン・ボルゲーゼ教授とパルドー大使の合作

 

ポイントとなる考え方は、海洋そのものが人類共同の財産であるという考え方で、このような考え方は「パルドー主義」と言われている。これはほとんど私の命名に近いんですが、いまやあちこちでパルドー主義という言葉が使われるようになっています。これはパルドー独自のオリジナリティに必ずしも限定されるものではなくて、パルドーとトーマス・マンの三女のエリザベス・マン・ボルゲーゼ教授の合作であったわけです。

 

25:貿易と結びつけた「新国際経済秩序と海洋法」(1974年)

 

そのことに関しては、1974年に、ノーベル経済学賞を受賞したヤン・ティンバーゲンが監修したローマクラブの「国際秩序の再構築」の中に一章を入れて、両者の共作になっているんですが、それが「新国際経済秩序と海洋法」というタイトルになっています。つまり、パルドー主義は、単に海の秩序そのものだけを引き離して考えているわけではないんです。海の秩序を貿易等と結びつけて、人類の問題、特に人類の経済的な問題を一挙に解決しようとしたと考えて間違いありません。

 

26:海洋法の3つの柱:海洋の平和

 

海洋法の第一の柱は、海洋の平和をどのような形で構築して行くかということです。言うまでもなく、人類のために世界の平和を維持して行くためには、地球の72%が海ですから、海洋の分野において平和が維持されなければならないということです。これが大きな柱になっていて、国連海洋法条約を見てみると、たとえば88条は、公海の平和利用との相互関連性に焦点があてられています。だから公海において、軍事的な演習、あるいは軍事的活動が、国連海洋法条約88条と一致するかどうかという大きな問題があります。その問題では、国連憲章の51条、自衛権の行使の問題と、国連海洋法条約の301条、つまり海洋平和利用の原則ですね。海洋は人類のものだから、平和利用でなければ認めないということです。それを88条は公海に限定して、公海の平和利用への留保というふうに明確にいっています。そういうふうに、平和構築の側面において、さまざまな制度を予定しています。

 

 

 

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