平成11年度 公海の自由航行に関する啓蒙普及事業 第2回研究委員会
第一人者が哲学と思想を語る2時間
第5章 新しい国際海洋法の思想とオーシャン・ガバナンス
講師:布施勉(横浜市立大学教授)
日時:1999年7月12日
場所:岡崎研究所
出席者:川村純彦(川村研究所所長)、秋元一峰(防衛研究所主任研究員)、小川彰((株)博報堂岡崎研究所主任研究員)、平間洋一(元防衛大学校教授)、恵隆之介(評論家・元琉球銀行勤務)
川村 今年度の「公海の自由航行普及啓蒙プロジェクト」で行ないます専門家からのヒアリング、本日は横浜市立大学の布施先生に来ていただきまして、「新しい国際海洋法の思想とオーシャン・ガバナンス」というタイトルでお話を伺います。
これから2時間にわたりおうかがいするお話の骨子はつぎのとおりです。
1:ずるずると海洋法マフィアの仲間入り(1969-1972)
2:国連NGOの国際海洋法学会(IOI)設立(1972年)
3:Agenda21の第17章:海洋の政策的枠組み基本文書(1992年)
4:日本政府の無関心
5:IOIの政策決定の実務を知り得る立場からのお話し
6:日本の官庁で一番進んでいるのは防衛庁
7:アメリカ政府は冷たいが、海軍は熱心
8:学術会議も、海洋問題をどうしたらいいかさっぱりわからない
9:大学は崩壊の一歩手前
10:学生の学力低下よりも、社会科学の基本構造崩壊が問題
11:太平天国の夢をむさぼる法学部
12:国家の存在を前提とするがゆえに、社会科学の崩壊が始まった
13:国家間合意の概念を拡張するだけの「ソフトロー」は姑息な概念
14:国連の限界の本質
15:中島WHO事務局長と緒方UNHCR高等弁務官が非難されたワケ
16:国際法の枠組みだけでグローバルイシューが解決できるわけがない
17:社会科学の先生がたはみなお手上げです
18:経済学者には分析ができない時代
19:政治学の無力
20:NATOのユーゴ爆撃を説明できない国際法の授業