川村 神戸などの場合は、結局やり直すには埠頭だけならいいかもしれませんね。ただ、ドラフトの問題があるかもしれませんが。
高瀬 神戸はようやく2、3バース、15メートルの水深のバースができたはずです。
川村 深さと、もうひとつは、コンテナの許容量ですね。
高瀬 ええ。それはかなり十分にあると思いますが、ガントリー・クレーンの腕の長さの問題があります。遠い所は届かないとか、幅も広くないですから。
平間 もう15メートルでは駄目で、17メートルとかいわれていますね。
高瀬 いままではパナマを通れるというのがあったけれど、もうパナマを通ることは意識しない。要するに太平洋、大西洋それぞれの両岸間超大型船による大量輸送をやってしまえばよいということで、これをポストパナマックス型というのですが、大型化の制約がなくなってしまったんです。
平間 高速道路の値段が高いという問題がありますね。高速道路が高いからメリット、デメリットがどうなるといったら、裏日本のほうは釜山に行って、そこから秋田、山形へ行ったほうが、高速道路で神戸や横浜から来るより安いということです。海だけだと思ったら、陸運の問題が出てくるんじゃないでしょうか。ということで、一つだけでは解決できない問題ですね。そういう危機感もないんですね。高雄にとられると思っていたら、いまは気がついたら釜山にとられるとかね。いま順序はどうなっているんですか。
6:あっという間に10番以下に転落した日本の港
高瀬 いまトップはシンガポールです。シンガポール、香港が、一番になったり二番になったりしています。ちょっとこのところ香港が元気ないですから、たぶん去年あたりはシンガポールの方が上だと思います。かつてはロッテルダム、ニューヨーク、神戸、横浜という順番だったんですが、あっという間に日本の港は10番以下になりました。
川村 ほかによろしいでしょうか。非常に短い間に幅広く中身の濃いお話をありがとうございました。またぜひ一緒にいろいろな問題も、海運からの切り口でよろしくご検討いただきたいと思います。本日の研究委員会はこれで終わります。
〈以上〉
この議事録は高瀬先生に監修していただきました。その他の発言者については、速記の際の転写の誤りがあることがあります。文責は事務局にあります。