日本財団 図書館


66:「いよいよとなったら中国は、一億、二億の人間を海外に出す」

 

海賊の話もその辺の話になるわけです。海賊という形で、われわれの庭に入ってきて、てめえの庭であるかのように振る舞って、いつのまにか中国の海にしてしまう。海賊の後からは、石油開発が確実に進んでいるんです。私は、そのことで、沖縄にずいぶん行って、当時の海上保安庁の本部長と喧嘩したんです。海上保安庁は、「これは単なる密輸にすぎないのに、平松先生はそれを非常に過大にとっている。どうしてそんなに拡大解釈するんですか」と言うんです。僕は、ほっておくと、石油開発が始まるよと言った。海上保安庁はあくまでも「そんなことは絶対にありません」と言い張る。結局、中国がこっちへ入ってきたものだから、海上保安庁がシャッポを脱いだというのはさっきお話した通りです。

中国という国は半分住めない。半分住めないというのは、幸か不幸か西側なんです。地球儀を見ればわかるように中国は、西が高くて、東の海の方向へ向かって低くなっていて、その低くなっているところに十億の人間が住んでいるわけです。十億だか十二億だかしらないですけれど、十億でも二十億でも変わらないですよね。住んでいるのは東側で、そこにひしめいている。そこでどんどん増えていく。増えていく人間はそこで増えるのであって、西側では増えない。要はそうなってくるとどうなるかというと、海の方向へ出てくる。これはもう歴史的に言っても華僑という形で出てくるわけです。おのずから押し出されてくる。国家が奨励しているわけではないけれども、国家としては、人間が海に出ていくことはちょうどいい。出て行ったらそれはおおいに結構。出ていってくださいということですね。

私は学生にビデオを見せているんですが、NHKが人口問題の一人っ子政策のテレビを作った。これは、私は教材にいいと思って学生にまず見せているんです。人口問題の最後のところで中国の人間が言っていることは「いよいよとなったら中国は、一億、二億の人間を海外に出す」ということでして、まさにやくざの脅しです。それが、国策です。だから留学生もそうですよね。留学生という形でいっぱい来ているわけです。日本は、文部省が受け入れるということで一所懸命金をつけて受け入れている。まじめに勉強しているのもいるけれど、ほとんど何しているかわからないようなものもいて、いつまでたっても帰らない。海賊だけではなく、あらゆるところで人間を出す。要するに口減らしをやっていると考えなければいけない。

川村 ありがとうございました。

小川 海賊も口減らしの一種でということですか。ここで山本さんから海賊についてコメントをお願いできればと思います。

 

67:海賊の動き(1999年)

 

山本 コメントというよりは、昨年1年間に海賊に関連してどのような動きがあったのかのまとめを紹介します。これは主として新聞情報によるもので、それ以上深くは研究していません。したがって全体像ではありません。他にもっと何かあるかも知れません。

 

昨年の2月4日にIMO(国連国際海事機関)が、シンガポールで初めて大規模海賊対策会議を開きました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION