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うみのバイブル2000(上)通巻第6巻

 事業名 公海の自由航行に関する普及啓蒙
 団体名 国際経済政策調査会 注目度注目度5


49:中国の「国防費」は「軍事支出」のごく一部にすぎない

 

それから三番目の質問ですが、軍事予算については、私は凝りもせずに書いているんですが、これも、どうもなかなか受け入れてもらえない。国防費というのは国家予算上のひとつの費目であって、それは言ってみれば消耗性の経費である。生産性の経費というのは国防費の中に入っていないということは中国自身がはっきりと言うようになってきた。それ以前から、私たちは、防衛研究所でずっと研究しているときから、中国の国防費にはそういう生産性の経費は入っていないだろうということは推測してきたわけですが、ほぼそれを裏付けてくれた。

ここで申し上げておきたいことは、中国が社会主義国家であるということです。資本主義国家だと予算上の国防費に全てが出てくるけれども、中国は社会主義国家ですから兵器産業というのは全部国営で、私企業はないわけですから、これは全て国家の財政でまかなわれる。こんなことは言う必要もないですが、資本主義国家では、国家財政というのはほんの一部であって、企業活動、もっと言ってみれば金融、銀行とか株式とかそういうものによって経済は動いていくわけですけれども、社会主義国家においてはそれはないわけですから、全ては国家財政で動いていく。ですから国家財政の中にほとんどが出てくる。中国の兵器産業も国営企業であるということになれば、国営企業を運営するのに必要なお金は国家財政に現れてくる。それはどこに現れてくるかといえば、国防費に現れるのではなくて、経済関係の経費に出てくるし、それから研究開発のお金は、言ってみれば教育予算の中に出てくるということです。

問題をいろいろ細かく考えていけば、「どのへんまでが開発になってくるか」ということで、非常にレベルの高い戦略兵器とか、戦闘機とか、軍艦とかいうものは、これは当然研究開発として計上されているだろう。一方で、非常にレベルの低い小型火器とか軽兵器は生産レベルでまかなえているかも知れない。そういうことは常識的に考えられるけれども、詳しいことは一切わからない。

ということで、兵器を研究開発して生産するというところは国防費以外のところで払われている。そして国防費では消耗的なところ、つまり兵器を買い上げるというところしか現れてこない。その全部をコスト計算して足し算、引き算、わり算からいろいろなことをやって、めんどうなことをやらないとわからない。とにかく、一部でしかないというふうに考えなければいけない。

国防費が何かと言いますと、これは三つから成っている。一つは広い意味での人件費です。これは兵隊の月給から食べるもの、着るもの、そういう一切のものを含めての人件費、人間に係わる費用。二番目が今の兵器を買い上げるお金です。それまでのものは入ってこない。それから三番目が部隊の日常の運営費。ですからこれはガス代、電気代から水道代のようなものから訓練に要するお金。問題なのは演習のお金はどこまで入っているかということですけれども、演習もある程度は入っているけれども、しかし非常に大規模な演習、例えばこのあいだ(1996年に)李登輝を脅すためにやったような演習のようなものまで入っているのかというと、これもわからない。

そういう流れの中で見ていきますと、いろいろな変化というものが出てきますけれど、いずれにしても全て出さなければいけない。そこで、では実際にどのくらいの軍事支出なのか。私は、そういう意味で「軍事支出」と「国防費」という言葉を分けて使っています。国防費は軍事支出の一部です。では、その軍事支出はどのくらいか?これはわからないけれども、わからないでは通らない。

 

 

 

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