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うみのバイブル2000(上)通巻第6巻

 事業名 公海の自由航行に関する普及啓蒙
 団体名 国際経済政策調査会 注目度注目度5


37:プルトニウム船が日本にたどり着けない

 

11月のマニラ会議では、皆さんに「200カイリ経済水域」の図をお配りしました。そして、各国沿岸国の意のままに通航権を拒否されたら、プルトニウム船は日本にたどり着かないということを示しました。だから、日本は、他の国の経済水域を黙って通ってくる以外に方法はないというわけです。

そして、国連海洋法条約上は、日本には通行する権利がある。沿岸国にはそれを阻止する強制する力はない。

それでも沿岸国は、権利をいちおう主張する。主張された日本は、おとなしい平和国家ですから、面と向かって反論しない。「はいわかりました」と承って全部その通りにしたら、大事なプルトニウム船は日本にはたどり着かない。だから日本は黙って船を走らせる。さもなければ日本はエネルギー政策を根本から見なおさねばなりません。

私が出席したマレーシアの会議では、「日本という国はずるい」と言われました。なぜなら、「経済水域を通るな」と言われて、「はいわかりました」と言っていながら、現実にはいくつもの国の経済水域をこっそり通って日本にたどり着いている。

 

38:条約上は日本の主張が正しい

 

しかし、考えてみると通らなかったら日本に着かないわけで、どちらが正しいかと言えば、条約上は日本の方が正しいわけです。

私がこの間のマニラの学会で、下手な英語で話したことは、新しい国連海洋法条約では各水域について通航権がそれなりに「ユニークな通路」として認められている。例えば領海については無害通航権が伝統的に認められている。非常に問題になりました群島水域については、群島航路帯通航権というのが認められている。例えばフィリピンやインドネシアは、特定の通路を設定し、そこを外国の船は通るが、それが公海上を通るのと同じ自由通航航路になっている。しかし、群島水域については「自由航行である」と言うかわりに「群島航路帯通航権」と言っている。

海峡につきまして、海峡にはもともと歴史的に通過通航権がありました。だから、それを認めろという先進国の要求を入れて、通過通航権という形で事実上の自由通航権を認めている。

ところが、新しくできた経済水域では、自由通航権になっている。その外側の公海も自由通航権になっている。そうすると同じものです。同じものだったら、公海を日本のプルトニウム船が自由通航できるならば、経済水域も自由通航できるはずです。もし「それが違うよ」というなら、その根拠は何か。経済水域を資源水域として、公海とディファレンシエートした限りにおいて、やはり何らかの形で規制があることも考えられる。

 

 

 

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