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うみのバイブル2000(上)通巻第6巻

 事業名 公海の自由航行に関する普及啓蒙
 団体名 国際経済政策調査会 注目度注目度5


それはさておき、いちおう権威あるFAO(世界食糧機構)の計算では、持続可能漁獲量は1億トンである。ところが、需要的には1.2〜1.3億トンは必要ではないかというのです。その根拠は、今の人口増加にあります。それから、食卓が豊富になったこと、アメリカなどで日本料理を見直し、コレステロールがたまらない食料ということで漁業資源が注目されていること。これらのことから、つまり、最大持続可能漁獲量が1億トンであるにもかかわらず、需要が1.2〜1.3億トンになってしまうということです。

ところで、現在の漁獲高は0.7〜0.8億トンのところでうろうろ行き来している。どうも1億トンは捕れない。そこで、約0.4億トンぐらい需要に対して不足しているらしいという説明がございました。

 

29:「自然に任せて捕りまくる」から「栽培漁法」へ

 

つぎに、漁業の方法ですが、これには、「自然に任せて捕りまくる」というやり方がある。それから「増殖させつつ捕る」段階がある。これは、餌を撒いたり、魚が減りだしたら捕らないようにがまんして増殖を図りつつ捕るというものです。それでも駄目なら次の段階として「養殖」があります。ところが、養殖では、例えば1トンのハマチを育てるには8トンのイワシが要る。このように生態系上非常に問題になる事例もある。そこでいまは、第4段階として「栽培漁法」が注目を集めているとのことでした。栽培漁法は、言ってしまえば海洋牧場です。海洋の生態系を守りつつ栽培し、そこから捕っていく。こういう方法が必要だという説明がございました。

 

30:「なぜ持続可能漁獲量が7〜8000万トンでとどまっているのか」

 

私は唯是先生を以前から存じているんですけれど、唯是先生はどうも講義録を持たずに喋る癖がございまして、時々大事な話が抜け落ちるんです。それで唯是先生がこの12月10日の研究委員会で言い忘れたことが少なくとも二項目ございますので、ご紹介いたします。ひとつは「なぜ持続可能漁獲量が7〜8000万トンでとどまっているのか」ということです。これには二つの解釈がある。一つは枯渇説です。いま世界の10大漁場のうち8漁場で漁獲高が落ちている。もしかすると枯渇状態が来ているのではないか。もうひとつの説は「漁業の狙い打ち」説です。例えば、マグロを捕っていくと、タイやヒラメがマグロに混じって捕れる。タイやヒラメなら捨ててしまうということはありませんが、あまり売れないサバは捨てている。それが漁獲量の頭打ちにつながっているのではないか、ということです。

いわゆる世界の漁場が、いまや、国連海洋法条約の200マイル排他的経済水域の中に入ってしまった。かつては遠洋漁業と呼ばれていた漁場も、いまでは沿岸国の排他的経済水域内での漁場になってしまった。いまや、海はひろいが、どこかの誰かさんの海になってしまったのです。

そういう漁場を持つ沿岸国が海洋資源の管理を適切に行なっていない。これが、今後非常に大きな問題になってくる。

1.2〜1.3億トンと言う人類全体での漁業の需要を維持確保していくには、第4段階の栽培漁業を、例えば日本が研究開発し、それを世界中の沿岸国に指導することも必要だろう。

 

 

 

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