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ハワイでのAsia-Pacific Center for Strategic Studiesとの意見交換

 

アメリカとの意見交換は、2月の第2回海外調査(ハワイ)で行ないました。ハワイには、Asia-Pacific Center for Strategic Studiesという国防総省のファンドで運営されている研究・教育機関がございます。そこにはアジアの35カ国の大佐・少将クラスの海軍軍人や沿岸警備隊のトップが学生となって13週間の教育コースに参加している。ハワイからの報告の第1弾は、APCSS訪問に関する議論です。4 今回、わたくし(川村純彦)は、APCSSを訪問するだけでなく、アジアからの学生に対する特別講義を行ないました。講義の内容、各国の学生との質疑応答の分析も、このレポートでは詳細になされています。総じて言えば、アメリカはハワイで素晴らしい試みをやっている。細かい点では注文をいくつかつけたいが、35ヵ国の海洋関係の将来のリーダーを集めて切磋琢磨するなどは、アメリカにしかできない仕事であり、日本は大いにこの試みを研究し、助けることを考えるべきであるというのが結論です。主催するのはアメリカにしかできませんが、助けることも、この地域では、日本にしかできない仕事なのです。

アメリカが頭を抱えているのは、「群島理論」です。国連海洋法条約を拡大解釈することで、インドネシアやフィリピンが、外側の島々を線でつないで、その内側の海域での自由だった航行にさまざまな制限を加えようとしている動きです。アメリカは国連海洋法条約を批准していませんから、「群島理論」を無視して、従来どおり米海軍の艦艇を自由に通航させています。この問題を日本はどのように考えたらよいのでしょうか?詳しくはレポートをご覧下さい。

 

ハワイでの米太平洋艦隊司令部との意見交換

 

ハワイからの報告の第2弾は、米太平洋艦隊司令部との意見交換です。5 わたしたち研究委員会の考えかたは、シーレーンには、物資の輸送と、軍事力の迅速な展開という2つの役割がある。読者の方はご存知かどうかわかりませんが、この地域の平和と安定を力で担保しているのが、米太平洋艦隊なのです。横須賀とグアムに主要な基地を有する「第7艦隊」は、この司令部に所属しています。日本国内にも、「米海軍の世話になるのはいやだ」と言う声がありますが、アジアにももちろん同じような声があります。ある意味では、アジアの声のほうがもっと感情的でもあります。これは、多分、日本人のほうが米国に対して対等であるとの気分をもっているからでしょう。さて、そこでわたくしが、こうしたアジアの人達に「米海軍がいやなら、中国海軍、ロシア海軍、あるいは、日本海軍にプロテクトしてもらうわけですか?」と聞くと、「それは困る。やっぱり米海軍が一番いい」と言うのです。

 

4 本冊子の「アメリカ・日本・アジアの新しい関係構築の試みと今後の課題」参照。

5 本冊子の「白蟻に土台を蝕まれる日米同盟」参照。

 

 

 

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