<付属資料>
くじら等に装着する海洋データ収集・送信システムに関する調査研究海外視察報告
(財)日本鯨類研究所調査部
西脇茂利
1. はじめに
「くじら等に装着する海洋データ収集・送信システムに関する調査研究」における海外視察を2000年2月21日から3月1日にかけて行った。
鯨類の回遊生態を中心にテレメトリーを利用している米国オレゴン大学のDr.Bruce Mate及び潜水行動を中心にテレメトリーを利用しているカナダダルハージー大学のDr.Sascha Hookerから研究の経緯及び進展に関する情報や、関連企業より海洋データ収集・送信システムに関する機器の現況及び開発状況の説明を受けることが本視察の主な目的である。
視察に先立って、上述の研究者に対して趣旨説明を行ない両研究者から委員会の趣旨を快諾していただいた。生憎、視察を予定した期間中にDr.Bruce Mateとスタッフが野外調査に赴いているために、直接、研究に関する説明を受けることができなかった。しかしながらオレゴン大学におけるMarine Mammal Programのホームページアドレスを紹介していただき、回遊生態に関連するバイオテレメトリーの成果について参考資料を入手することができた。また、カリフォルニア沿岸で実施されているシロナガスクジラ及びザトウクジラの装着に関する情報もいただいた。
Dr.Sascha Hookerからも、ダルハージー大学におけるWhale Researchのホームページアドレスを紹介いただき、潜水行動に関連するバイオテレメトリーに関する資料を入手した。ダルハージー大学における時間・潜水深度記録ロガ(TDR)を用いた潜水行動の研究は、Dr.Robin W.Baid及びDr.Sascha Hookerが中心に活動を行われてきた。現在、両名は米国ハワイ・マウイ島においてザトウクジラ、オキゴンドウ及びマダライルカの潜水行動を調査中のために、現地で説明を受けることになり、特にキタトックリクジラのサクションカップによるTDR装着と研究成果について説明を受けた。関連企業の視察に関しては、日本の研究機関(大学、水産研究所)と提携している企業を、日本の代理店をおこなっている日本海洋株式会社及び田中三次郎商店から紹介をいただき、視察を依頼した。