以上の仕様で制作されたMAGを用いて、ハワイ諸島Tern島(ホノルル北西約50マイル)にあるフランス艦隊Shoals駐留所でハワイモンクアザラシに装着、行動追跡実験を5回実施した。装着に際しては、日昼の涼しい時間帯を選び、Hoop netで前半身を押さえ、精神安定剤を静脈注射し、ヒレと頭部を定期的に海水でしめらし、個体へのストレスを極力排除した。
装着作業は、まず高密度の発泡樹脂材でできたサドルをアザラシの背面の外毛に2液混合型エポキシ(5分硬化)で接着する。次いで2本のスチール製バンド締め金具でサドルにMAGを固定する。所要時間は12〜15分である。アザラシの外毛は年1回抜け替わるので最大11〜12ヶ月の追跡が可能である。図1-15および表1-7に実験海域と受信位置等を示した。
Figure 2. Marine Archiving GPS Unit.

図1-14 海洋動物用のGPS(MAG)のユニット
(出典:Sisak, M. M., 1998, Animal-Borne GPS and the Deployment of a GPS Based Archiving Datalogger on Hawaiian Monk Seal (Monachus schauinslandi. Marine Technology Society Journal)
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