3) 人材育成ゆふいん財団
まちづくりの原動力は人材であるという認識のもと、1985年「潤いの町・人づくり基金条例」が制定され、財団設立に向けて民間からの篤志が募られ始めた。そして1991年、民間からの寄付金4,700万円をベースとした基本財産1億円で「人材育成ゆふいん財団」が設立された。財団の目的は人材育成に関する調査・研究、住民の自主的学習・実践活動援助などにより、活力ある町づくりに寄与しようとするものである。
理事(理事長 溝口薫平氏)は民間からの代表8人で構成されており、行政から独立した活動を行っている。
主な事業は次のとおりである。事業の主な財源は基本財産から生じる利息収入であるため、積極的に民間からの寄付を募っている。
【ゆふいん財団の事業】
1] 町づくりグループや団体、個人を育成するため、研修会の開催や活動の援助を行う。
・グループ、団体が講師を招聘する場合、一定額を助成。
・研修生奨学制度事業により、月額一定の奨学金を最高一年間支給。
2] 国内外への先進地研修を奨励し、一定額の旅費援助を行う。
3] 情報交換とネットワークづくりのため、地域間・世代間・グループ間交流を促進し、その費用の一部を助成する。
4] 地域振興に関する情報の収集、整理と資料の提供を行う。
4) ゆふいん親類クラブ
前述したゆふいん音楽祭実行委員会などの運営において、町外との交流は活発に見られたが、1996年、観光客と地元のあり方を「親類づきあい」になぞらえて、双方向交流のさらなる活性化を目指す「ゆふいん親類クラブ事業」が始まった。これは、ゆふいん流のグリーンツーリズムと考えられており、観光協会・旅館組合が町から事業受託してすすめている。
【ゆふいん親類クラブ事業】
ア. 農業、商工、観光による協力のもと、地場流通の実験的な場を設ける。
イ. 「親類先」、「親類元」の集会「オフのゆふいんグリーンホリデイ」の実施。
ウ. 親類クラブの制度化の研究。
エ. ゆふいん親類クラブ新聞の発行。
オ. 国内の親類クラブ的な活動状況を視察・研修。
カ. 町内の人材バンク・親類元の募集。
キ. 町内推薦者による親類先の募集。
ク. 町内グリーン・ツーリズムとの連携・強化。