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第1章 観光をめぐる潮流と「観光まちづくり」

 

1. 近年の観光動向・特徴と課題

 

1) 観光の動向 −増加する観光客数−

今日、世界的な交流の時代を迎え、世界の観光量は着実に増大傾向を示している。WTO(世界観光機関)の統計によれば、世界の観光客数は、平成4(1992)年以降、着実に増加しており、平成7(1995)年度には、5.61億人に到達した。

また、各国旅行収入の総計は3,80693億ドルとなっており、今後、観光は成長が期待される産業分野であることを示している。

 

表 世界の観光量

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出所) 世界観光機関(WTO)資料

注) ( )内は対前年度増加比

 

わが国においても、観光レクリエーション活動は、日帰りの観光レクリエーション、国観光旅行、海外旅行等、様々な形で展開されており、今や国民生活に欠くことのできないものとして定着し、また、その重要性を増大させてきている。総理府の調査によれば、観光レクリエーションの延べ人数は、平成6年から7年にかけて落ち込みを見せたものの、その後、漸増し、平成10年には、2億500万人に到達している。また、1人当たり1.62回となっており、消費総額は全体で8兆6,700億円、1人当たり6万8,600円となっている。景気低迷の影響をうけ、平成10年度は前年度に対して横ばいであるが、着実な増加トレンドを示している。

この背景として、余暇時間の増大、心の豊かさを志向する生活意識の変化に伴い、観光レクリエーション活動への需要がますます高まっていることがあげられる。総理府の調査によれば、今後の生活に重点を置きたい分野として「レジャー・余暇生活」が、昭和58年以来、連続して第一位を占め続けており、平成10年12月には35.1%に達している。この率は、近年、やや減少しつつあるものの、国民の余暇活動に関する志向の根強さがうかがわれる(レジャー・余暇生活の次は、住生活23.7%、食生活19.3%である)。

 

 

 

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