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図表5-1 公共交通機関利用者内での交通に関する意識の相違

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(注) 有意水準は、***=1% *=10%を満たしている。係数は小数点以下第2位を四捨五入した。

t値は小数点以下第3位を四捨五入した。

 

逆に自家用車利用者の場合、質問項目(3)は2.1ポイント、質問項目(4)は4.3ポイントを示しており、自家用車を優先的に利用する傾向を示している。

質問項目(3)(4)共に、公共交通機関利用者と自家用車利用者の平均値の差は統計的に有意である。さらに質問項目(3)と(4)の値の差が、公共交通機関利用者が1.5ポイント、自家用車利用者が2.2ポイントであることから、両者共に当日利用した交通手段を優先的に利用する傾向を示しているが、特に自家用車利用者の方が公共交通機関利用者よりもその傾向が強いことを示している。

さらに公共交通機関を利用して同水族園に来た観客の内、「車がないから」と答えた14組と「それ以外の理由」を答えた93組を分けて分析した図表5-1を見てみると、質問項目(3)は前者が4.6ポイント、後者が3.8ポイントで、両者の値の差は1%の有意水準を満たしている。質問項目(4)では、前者が1.6ポイント、後者が2.5ポイントで、この場合も両者の値の差は1%の有意水準を満たしている。質問項目(3)(4)共に、両者の平均値の差は統計的に有意となっており、「車がないから公共交通機関を利用者した」と答えている14組が、「公共交通機関を優先的に利用し、できるだけ車を利用しない」意識は、「その他の理由」で公共交通機関を利用している93組よりも非常に強く示されている。

このように公共交通機関利用者、自家用車利用者共に、当日選択した交通手段を優先的に利用する傾向を示しており、その傾向は自家用車利用者の方がより強くなっている。

 

(III) 利用交通手段に対する満足度

当日利用した交通手段に対する満足度を示しているのが、質問項目(14)である。公共交通機関利用者の場合が2.0ポイント、自家用車利用者の場合が1.6ポイントとなっており、かなり否定的な傾向を示している。つまり両者共に、「当日別の交通手段にしたかった」とは考えていないことを示しており、当日選択した交通手段にかなり満足していることが窺われる。

両者の平均値の差は統計的に有意であることから、当日選択した交通手段に対する満足度は、自家用車利用者の方が公共交通機関利用者よりも高いことが示唆されている。

 

 

 

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