日本財団 図書館


しかしとくに目をひくのは、交通機関(大分では建築物と交通に分別)と工場である。交通は、鉄道関係と港湾関係と街路である。大分の交通では道路を走る蒸気自動車「土路汽車の図」が掲載されている。工場については、大分では建築に分類したが、軽工業(ビスケット工場)・重工業(製鉄所)ともに工場の外観と内観が掲載されている。世界でいちはやく産業革命をなしえたイギリスにたいする興味の表れであろう。

都市別にみると、ロンドンではさきにのべたように、王宮・寺院・駅舎・マーケット・橋など建築物の図版が多い。ロンドン郊外では、製鉄所やビスケット工場などの工場(建築物−工場)や有産階級の郊外型邸宅(建築物−住居)である。リバプールでは、船舶(交通−船)、倉庫・駅舎(建築−交通)が掲載されている。マンチェスターではまちなみ(まちなみ−都市)や、公共施設(建築物−公共機関)がとりあげられている。グラスゴーではまちなみ(まちなみ−都市)、エジンバラでは、王宮・駅舎・寺院(建築物−王宮・−交通・−寺院が掲載されている。「自然の景観」は、すべてスコットランドにおける図版であった。

 

2-1-3. フランス(第3編、第5編)図版36枚

第一番目の図版は「凱旋門」(建築−交通)であった。「ベルサイユ宮殿」「ルーブル宮」(建築物−王宮)をはじめとした王室関係の図版が多い。王室の庭を公園にした場所(建築物−公園)や、オペラ座(建築物−公共機関)まちなみ(まちなみ−都市)が多い。

第3編に掲載されているものは、パリとパリ郊外の図版である。第5編ではマルセイユで、港の見える公園(建築物−公園)や港湾(交通−港湾)の図版が掲載されている。

 

2-1-4. ベルギー(第3編)図版9枚

ブリュッセルでの図版は、王宮・寺院・公園・ガラス工場(建築物−王宮・−寺院・−公園・−工場)と、まちなみ(まちなみ−都市)である。そして1815年の英仏戦争の旧跡であるワーテルロー(まちなみ−村落)が掲載されている。

 

2-1-5. オランダ(第3編)図版10枚

ハーヴェとアムステルダムでは、王宮や公園(建築物−王宮・−公園)がとりあげられている。ロッテルダムやレーデンでは、まちなみや風車のあるまちなみ(まちなみ−都市)、運河(交通−運河)が掲載されている。

 

2-1-6. ドイツ(第3編、第4編)図版30枚

一行が滞在した都市は、すべてまちなみ(まちなみ−都市)がとりあげられている。滞在した都市は、ケルン、ベルリン、ポツダム(以上第3編)、ハンブルク、フランクフルト、ミュンヘン(以上第4編)であった。ベルリンではほかに王宮(建築物−王宮)やオペラハウス・大学・学校(建築物−公共機関)が掲載されている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION