(5) EGによる「花のシリーズ」キャンペーンの開始
EGは、特別運賃導入の1年後である1996年4月から6月の期間、ライラック、ラベンダー、さくらんぼを使った「花のシリーズ」というイメージ・キャンペーンで、北海道及び東北地方のプロモーションを開始した。消費者向けには、新聞、旅行雑誌へ広告掲載を実施した。系列の旅行会社向けには、札幌市と共同でイメージ浸透と商品化を促進するレセプションを実施した。
2. 「北海道旅行ブーム」の開始
[1996年10月〜1997年9月]
北海道への台湾人客は、従来から冬季が最も多いと思われていたが、1996年の秋季(10〜12月)のEGによる北海道への送客数は、約10,500人に達し、同年冬季(1〜3月)の約4,100人を初めて、しかも大幅に上回った。1996年10月は台湾人の「北海道旅行ブーム」が始まった時期といえる。
(1) 道観連による本格的なマーケティングの始動
道観連は、日本観光協会台湾事務所の協力のもと、1996年10月にプロモーションを主目的とした初の台湾ミッションを派遣し、主に台北市の旅行会社とマスコミを対象に、北海道の観光魅力を説明するセミナーと懇親を図るレセプションを実施した。旅行会社は、台湾人客の急増している北海道へ強い関心を示し、地方観光団体の事業としては異例の200名を超す台湾側関係者の出席があった。この年より毎年恒例となったこのミッション事業では、日本観光協会台湾事務所が準備・運営における全面的な支援をはじめ、台湾マーケットに合わせた各地の観光魅力の選定等の助言を行った。
ミッション事業のほか、道観連は、日本観光協会台湾事務所と協力し、1996年9月、道央・道東方面に7名、1997年7月に道東方面へ9名の旅行記者からなるプレストリップを実施し、新聞・雑誌に取材記事が掲載された。
(2) 宿泊料金の引き下げ
1996年秋から北海道の宿泊業関係者は、札幌市のホテル競争や台湾マーケットヘの先行投資の期待等を反映し、台湾の旅行会社に対して従来より割安な宿泊価格を提供するようになり、旅行会社の商品造成や販売に対する意欲を高めた。また、1996年から台湾元に対して日本円が下がったこともツアー商品の販売に好影響を及ぼしたと考えられる。
(3) EGによる「花のシリーズ」キャンペーンの継続
EGは、1997年も「花のシリーズ」キャンペーンを継続し、4月から6月までの期間、ライラック、ラベンダー、リンゴの花を使い、北海道と東北地方のプロモーションを行った。消費者向けには、新聞、旅行雑誌へ広告掲載を実施した。系列の旅行会社向けには、札幌市、富良野市、函館市と共同でイメージ浸透と商品化を促進するレセプションを実施した。