分科会C<国際観光交流の意義と徳島への期待>
担当パネリスト 中村昌宏
○中村
本来ならば、今日、この席に甲南大学の井野瀬先生が座るべきところでございますけれども、やむを得ない一身上の事情がございましたので、急遽、コーディネーターの私がここで分科会Cを担当させていただきます。よろしくおつき合いをお願いいたします。
テーマは、分科会Cとして「こころが踊りだす街へ、外国のお客さんをお迎えしましょう」ということで、初めに若干、私の考え方を述べさせていただきまして、できるだけディスカッションの時間を多くしたいと思います。
まず、先ほどもキーワードといたしまして「ホスピタリティ」ということで、縄手さんもおっしゃっておりました。持てなしの心ですね。徳島にも四国八十八力所霊場のお接待の心ということが昔から根づいておりまして、難しい「ホスピタリティ」という言葉でなくても、そういった心は十分に皆さん備えているということは自信を持って言えると思います。
そういったことで、まず「観光の意義」の「交流がもたらすメリット」は、次のような3つになりました。
一つは、交流することによって、大きなカルチャーショックがもたらされる。そして、閉鎖的な県民性から開放的になり、排他的なものが友好的になり、そして連携へとつながっていくということではなかろうかと思います。
2番目は、ヒューマンネットワークの構築、例えば国体とかアジア大会があると、民泊なら民泊することによって、その県の人、その国の人と末長い交流が構築され、その輪が拡大していく、そういったことが非常に重要ではなかろうかと思っております。
また、さらにビジネスチャンスの発掘ということです。ただ単に友好で終わるんじゃなくして、そこからビジネスのチャンスが芽生えてくるということが期待されるところではなかろうかと思います。
そして、観光客の動向ということになりますと、最近の状況としては、行動の堅実化、低価格化、できるだけ安くて短時問でエンジョイする、そういった動きが見られる。所要時間も片道3時間圏というのが一つのめどになっているようですけれども、ますます所要時間が重視される。また、本物志向。納得したものに対しては金を支払う。そして、見る観光から参加、体験型観光へと移ってきている。その中でも、特に女性のウエイトが多くなり、海外旅行のパスポート申請なんか見ましても、本県ではもう女性が50%を超して多くなってきている。それと熟年層のウエイトアップ。先ほど橋本支店長さんからは、さらにファミリー層を狙うべきだという意見もございました。これは非常に印象的ではなかろうかと思います。団体から個人、グループ客へ。法人関係の慰安旅行等が減少してきた。こういう動きがございます。
そうした中において、徳島県にとってのプラス材料としては、阿波踊り会館が今年の7月30日にオープンして、通年型観光への糸口が開かれた。また、阿波踊りの人出というのが4日間で137万人。日本を代表する阿波踊りという非常に大きな財産を我々は持っているので、それを十分に生かさなければいけません。来年の春には、大鳴門橋の下に「渦の道」の建設ということで、これも大きくアピールできるのではなかろうか。