○参加者
発地キャンペーンというのを初めて聞く言葉だったのですけれども、効果的な発地キャンペーンについて教えてください。
○高崎
発地キャンペーンというのはすごく重要な手法で、ターゲット別には、二つの種類があると考えています。いわゆる旅行業界というか、集客交流産業というものに携わっている人を対象にするキャンペーンと、実際にエンドユーザー、つまり本当に旅行に来られる方を対象にするキャンペーンと、二つのパターンがあります。
やり方も、広域で連携をして大きなフェア的に行うというものもありますし、簡単に現地に行って一ヵ所だけで行う場合もあります。
注意すべきことは、例えば海外で行う場合は、本当にその国の人が日本に来るだけの経済的な余裕があるのかということをまず考えないといけないということです。それを考えずに「今後があるから」というふうにおっしゃる場合もありますが、それは余裕のある時に行えばいいことで、やはりすぐに何らかの形にしたいと思えば、来てくださる可能性のある場所で行う必要があるだろうと思います。キャンペーン自体は盛況だったけれども旅行者は増えなかったというのでは困るわけです。
今、広域連携というのがすごく注目をされています。しかし所詮は違う組織と違う組織ですから、そういうキャンペーンを一緒に行ったという事実が、今後一緒に盛り上げてやっていきましょうという動きに、つながるためのキャンペーンという位置づけも、あるかもしれません。
いわば自分たちが結びつくためのキャンペーンということですが、やはりお客様を本当に呼んでこようと思えば、どういった形で来ていただけるのか、例えばファミリーなのか、カップルなのかということも含めて必ずターゲット発想の重要性というのを肝に銘じて頂きたいと思います。
○参加者
北米の方というのは、何を目的に金沢へいらしているのでしょうか。
○高崎
よく一般的に言われていますのは、アジアの方というのは例えば京都、あるお寺にお連れして、「次に○○寺を……」と言うと、「もういい」と言われるという事があります。お寺はもういいと。その方々が喜ばれるのはテーマパークや、秋葉原、日本橋だったりするわけです。
欧米の方々というのはやはり社寺仏閣とか歴史伝統とか、それから最近、日本に来られるリピーターが増えている証拠だと思うのですけれども、日本人の生活に触れたい、それが目的だという方が増えているのです。
それから、金沢に対してというか、石川県に対してということで、これは私が、何人かのお客様に聞いてみたのですけれども、結構、能登半島とか、朝市とか、そういうところを見てみたいとおっしゃる方が多いです。というのは朝市の映像が、日本の昔からある伝統的なマーケット、ショッピングということで紹介されるということがあるからだと思います。
○参加者
私たちの街は外国人にも魅力があるのかということは、つまりほかの日本人に対しても魅力があるのかということとほぼ同義語だと思うのですけれども、金沢はもう十分に魅力があると断言できると思うのです。それと石川県の魅力というのはまたちょっと違うような気がするのです。ですから「石川・金沢のターゲット」とくくるよりは、それぞれ別にターゲットを考えたほうがいいのではないかと感じています。