外国人のお客様をお招きするということで、石川・金沢の誘客を考える時に気をつけないといけないと思うことが二つあります。一つは観光ということだけが外国人のお客様をお招きする方法ではないということです。もう一つは、外国人と一言で言うけれども、一体それは誰のことかということです。
この後の分科会ではこういった考え方も含めまして、国際観光地としての石川・金沢の資質と行動などについて、ご参加の皆様とざっくばらんに議論を交わしていきたいと思います。
○安島
私たちの分科会のテーマは、「私たちの街で国際会議が開けるのか?」と、謙遜したテーマですが、実は金沢はコンベンションの先進都市です。1985年にコンベンションビューローができまして、非常に早い時期から推進してきたわけです。
現在、金沢でどれぐらいの国際会議が1年間で開かれているかといいますと、この5年間ぐらいでは、平均して年間に13件から14件、一番多かった年で16件を開催しております。全国的に見て、大体4つに分けまして、3番目の10件から30件というグループでして、政令指定都市ではないグループでは金沢は頑張っている都市なんです。
今は答えを申しませんが、幾つか私の考えていることを申し上げますと、ハードな面でのコンベンションセンターというものが今はない状態です。こういうようなことに対してどうしたらいいか。医学とか学会関係以外のコンベンションをどういうふうに誘致できるかどうか。金沢市以外の場所でのコンベンションの開催の可能性、あるいはそういう場所がこの国際的なコンベンションとどう関わっていったらいいのかということ。この金沢市といえども、金沢の知名度をどういうふうに上げたらいいのかということ。このような話を中心に分科会を進めてまいりたいというふうに思っております。
○澤
旅館で外国の人を受け入れられるかなというのが私のテーマなんですが、「私ども澤の屋でも外国の人を受け入れられるということは、旅館と名がつけばどこでも外国の人の受け入れはできるのではないか」というのが私の持論ですので、それに基づいて外国の人を受けましょうという話を、皆さんとしたいと思っております。
最初、私共では和室の旅館で、言葉ができないから外国の人は受け入れられないと思っていたのですが、受け入れてみて、日本の旅館に泊りたい外国のお客様が一杯いることを知りました。今は一軒でも外国の人を受け入れる宿が増えることが自分の役割だと思って、今日みたいに声が掛かると来させてもらっています。
いろいろなことを外国の人に言われた中で印象的なのは、いろいろな形の宿があることが一番よいことなのだと、そしてそこの国独特の宿泊施設があることで旅の楽しさがあるのだからということです。そういう意味では自分のためであって、外国のお客様のためにも旅館として生き残りたいなと思っております。
要するに、これから旅館がどうやって生き残っていくかという時に、外国の人を受け入れることは、これからの一つの道だと思いますし、外国の方を受け入れる時は、旅館、宿泊施設だけではだめで、街と一緒に温かく迎え入れなければいけないのではないかと思っています。