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D. リージョナリズムとグローバリズム

テーマの言葉に戻りますけれども、まず大事なのはリージョナルな立場です。「リージョナル」という言葉はご存じのように「地元」という意味です。地元から見ると観光客には金沢では何が魅力的か、今日は金沢、石川県が例になりますけれども、能登半島でもいいですが、何が魅力的か、ユニークか、特徴かということになるでしょうか。まずは、そういったリージョナルな良さの把握が大事です。

その次は、金沢、石川県の魅力・特徴を、どういうふうに世界中の皆さんに伝えたらいいでしょうか。それから観光客がわざわざ金沢に来ていただいたら、どういうふうに地元の方々がプライドを持って、それぞれのお客さんを満足させるか、喜んでもらえるかということです。

それからもう一つは、これはどこでも同じですけれども、魅力的で特徴があるということは、観光客のためだけではなくて、本当に地元の人の生活の一部になればよろしいですね。こういう点は金沢、国内だけではなくて、世界中の人気のある観光スポットの共通の問題になっています。

それから、グローバルな立場から見ると、外国の人から見るとどうかということです。これはやはり情報です。もちろん今までいろいろな方法がありましたが、最近始まったのはインターネットです。皆さんはもうインターネットをよく使っていると思いますけれども、これからますます観光をしたい方はまずインターネットで調べて、情報を集めると思います。

それから、情報といいましても、大事なのは情報の内容です。日本人向けの内容と、外国人向けの内容、これは言葉はもちろんですけれども、内容まで考えなければいけません。ただ翻訳するだけではなくて、外国の方のニーズ、好みを考えながら内容を書かなければいけないです。

 

E. コミュニケーションの大切さ−口コミが一番

もし外国の方が来られましたら、コミュニケーションが一番大事です。これも言葉だけではありません。もちろんたくさんの外国のお客さんが本当に来られましたら、まず英語の案内とかがあればよろしいですけれども、でもそれだけではありません。観光関係の方や街の方が心を開いて、本当に受け入れたいという気持ちがあるかどうか、観光客が喜んで満足して帰っていってくれたかどうかが大事なのです。一番いいマーケティングはインターネットでもないし、ブローシャーでもありません。その満足された方の口から聞くのです。口コミが一番です。国内もそうだと思いますけれども、もちろん海外の方でもそうです。近所の方か、親戚の方か、友達が、日本に行ったとします。「どうだった。どこに行きました。どういうふうに言葉の壁を乗り越えましたか」とか、いろいろなことを聞くと思います。その方の話次第で本当に日本に来るか、本当に金沢まで来るかが決まると思います。

 

F. フランク・ロイド・ライト・ビジタセンターを訪れる人々

私は自分がどこに住んだことがあるか、どこを旅行したかを、もう少し簡単に申し上げたいと思います。

私はアメリカのシカゴで生まれ、そのすぐ隣の郊外で育って学校に通っていました。皆さんもよくご存じの世界的に有名な建築家、フランク・ロイド・ライトは私が育ってきた街の方です。シカゴの隣の街です。でもシカゴの一部ではない独立した郊外の街です。今でもそこに行くと、フランク・ロイド・ライト・ビジターセンターを訪れることができます。そこからいろいろツアーがありますし、特別に入ることができる家もあるし、フランク・ロイド・ライトについてのいろいろな本とかグッズとかもございます。

 

 

 

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