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私が一番最初にこの国に来たのは、随分前の話になりますけれども、昭和53年(1978年)です。すごく蒸し暑い夏でした。でも私はもっと若かったし、すごく興奮していて、夏の湿気と暑さはあまり気にせずに、ずっと旅行をしました。その時、私はまず東京に来ました。そこにしばらくおりまして、次に山形県にしばらくいて、そこからずっと東北を汽車で回り、海を渡って北海道に行きました。夏の北海道はいいですね。幸いに北海道では1ヵ月ぐらいはホームステイで過ごしました。当時は個人的なホームステイの形でした。実は先々月の7月にその時の小さい街にもう一度遊びに行ってきました。私はそこでの一番親しい友達とは毎年のように東京で会いますが、私がその街に行くのは本当にもう何年振りかでした。

それで、私の最初の日本の旅についていろいろなことを思い出しました。その時は北海道からその方と一緒に京都に行きました。やはり京都にあこがれていました。京都と金沢はそれほど距離はないかもしれないですけれども、残念ながら最初の旅は石川県までは行かなかったのです。その4年後、金沢に来ることになりました。その時は私はお茶を勉強していましたから、お茶の関係の団体で金沢に来たのです。ですからスケジュールが全部決まっていて、行く場所も決まっていました。でも初回としてはとてもよかったです。

2回目は個人の旅で、現在、主人になっている人と一緒に、まず能登半島に行って、そこから金沢に行き、関西に戻りました。

 

C. 本当に外国からのお客様を受け入れたいのか

私はアメリカ人です。ですから欧米人は私と同じような意見と考え方があるかなと思いますけれども、例えば南米の方々やアジアの方々は、私と同じように考えているかどうか、ちょっとわかりません。でも私が申し上げていることが参考になれば幸いと思いますし、アジアの方々については、私の話をもとにしてもう少しその方々のニーズと考え方も考えたらいいのではないかと思います。

本日のワークショップのテーマや、山下理事長のごあいさつの中の言葉を思い出すと、皆さんは外国からの客を受け入れたいとお考えだと思いますが、本当にそういうふうに決心したのでしょうか。それを最初にお聞きしたいと思います。皆さんはそれぞれの事情やお考えがあるかと思いますけれども、もしそういう希望をお持ちなら、それはなぜそういう希望があるか、まずご自分で考えなければならないのです。ここにおられる皆さんは観光関係の仕事をなさっておられて、どこかの代表として来られたと思います。今日一日過ごして、またご自分の事務所か、旅館か、組織に戻りましてほかの皆さんに報告することになると思います。その時はただこういうことがあったと報告するだけではなくて、私たちは本当に違う方向に行きたいかという議論から始めればどうでしょうか。そうでないとうまくいかないと思います。

国内の方を受け入れることについては、皆さんはもう長い経験がありますから、とてもうまくできると思います。でももう一つの方向、つまり日本人ではない方々を受け入れるということは、今までと違う方向です。もちろん共通点もあります。どちらもホスピタリティーがもとです。お客さんが本当に満足するにはどんなことをすればいいか、そういう考え方自体はよろしいのですが、実際に日本人ではない方々を受け入れることを詳しく考えてみると、多少日本人とは違うこともあります。ですから最初に本当にこういう方向がいいかという検討をしてみたらよいと思います。

 

 

 

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