福島県双葉郡
富岡町少年剣道団
小学六年生
小泉敏
日本一、三人を生んだ道場。これが僕達の道場です。みなさん、すごい道場だと思いませんか。
僕の兄も剣道をやっていましたので、いつも「かっこいいな」と思っていました。
そんなことを考えていた時、母に、
「敏、あんたすごく躾の厳しい道場があるんだけど、そこで剣道をやってみないか」
という入団の誘いの話がありました。僕は、他人事のように、
「剣道をやれるんだったらどこでもいいよ。」
と自分の町の剣道団には入団せず、となり町の指導の厳しい道場を選んで入団したのです。この道場が僕達の道場富岡町少年剣道団です。
僕が入団した時、道場にあった多くの優勝旗やカップにも驚きましたが、お兄ちゃんのような若い先生が多いことにもすごく驚いたり、嬉しく感じたりしたことを、今もはっきり覚えています。
厳しい厳しいと母がよく口にしていましたので、僕はけい古が厳しいのかと考えていましたが、ちょっとちがっていました。それは、
「人として生きてゆくために何が必要なのかということを剣道を通して学べ」
という教えが厳しかったのです。具体的に言うと躾の三原則などです。「はい」という返事をしっかりすること。はいとは相手をうやまうことだからはじまり、「はき物をそろえる」こと、はき物をそろえることは、心がそろうことだとか、「挨拶をしっかりする」。挨拶とは心を開いて相手にせまることなんだといった具合に、剣道の技術のことより、このようなことが厳しく指導される道場だったのです。そして何よりも「団員みんな幸せになれ」の指導の中で、僕は、「三つの幸せ」を小学五年生なりに感動し学ぶことが出来ました。そして必ず将来行動に移そうと考えていることがあります。その感動は三年生の時、初めて個人戦で優勝した時より大きく感じました。それは、人間の誰にも「三つの幸せ」があるんだというのです。
一つは「もらえる幸せ」で、人からしてもらえる幸せであり、二つめは「出来る幸せ」です。いろいろと教えていただいた結果、自分で出来るようになった幸せです。剣道も多くの先生から指導していただき何回か優勝出来るようになった幸せなどです。そして三つめに「してあげる幸せ」です。人のためにしてあげる幸せを多く感じろと先生は言います。これが一番大切だと言ってます。