広報の展開
97年と同様、ちらし、ポスターなどの宣材制作と有料広告(新聞・雑誌広告、交通広告)、新聞や雑誌でのパブリシティなどを主な広報手段としたが、TIF'99では新たに以下のような広報活動を実施した。
1 小型ちらしの作成
従来、全公演の詳細(公演内容、出演者名、公演日程表など)を掲載した全体ちらしが第一弾の宣材だったが、全公演の情報が揃い、全体ちらしができあがるのが7月中旬になっていた。そのため、全体ちらしができるまで一般に広くラインナップを告知する手段がなかった。
99年は、製作発表会(5月下旬)の段階で最低限の情報(タイトル、出演者名、公演期間など)を載せた小型ちらしを作成することで、マスコミヘの発表と同時に観客への告知もスタートさせることができた。小型ちらしでラインナップを知り、全体ちらしでチケット購入という観客への動機づけと行動に段階的な働きかけができた。
2 シアターガイド誌上でのフェスティバル特集ページの確保(一部有料出稿)
演劇情報誌シアターガイド編集部の全面協力により、9月〜11月号の3号連続で実施。フェスティバルのラインナップ紹介や各公演についての特集(インタビュー等)、該当月に初日を迎える公演のちらしと制作担当者コメント掲載など、3号・計26ページにわたって特集を組んだ。フェスティバルという括りで全公演を紹介できたことで、フェスティバルの規模、ラインナップの充実を知らせることができた。また、シアターガイドの紹介から漏れてしまいがちなダンス公演なども小さいながらも取り上げることができた。
3 シアターテレビジョンでの告知スポット、オンエア
シアターテレビジョンの多大な協力により、全演目のスポット(10〜15秒)を制作し、9月〜10月にシアターテレビジョン(スカイパーフェクTV/ディレクTV)でオンエアされた。公演をジャンル別に分け、VTR、宣伝(舞台)写真、ちらし等のビジュアル、作品解説のテロップとナレーションで紹介した。
印刷媒体以外の働きかけの一つとして試みたものだが、コアな観客層にはチケット購入の後押しになったかと思われる。
4 ぴあキャンペーンショップ
伊勢丹新宿店と渋谷109のぴあ店舗にてキャンペーンショップを展開した。展開に伴い、ぴあ本誌上での告知(4分の1ページ)がなされた。キャンペーン期間中に両店舗に全公演のちらし、ポスターを置き、チケット購入者ヘポスタープレゼントなどのプレミアをつけた。22公演をまとめての告知だったため、焦点が定まらないきらいはあったが、劇場以外の「街」でフェスティバルを告知できる貴重な場だったと思える。