第8節 野生生物の救護の実施
環境庁は、油汚染事件により野生生物に被害が発生した場合には、油が付着した野生生物の洗浄、油付着に伴う疫病の予防、回復までの飼育等野生生物の救護が、獣医師、関係団体等の協力を得て円滑かつ適切に実施されるよう措置する。
第9節 漁場保全対策等の実施
水産庁は、油汚染事件により漁場等に汚染が生ずるおそれがある場合、又は生じた場合には、必要に応じて廃油ボール等の油の回収等の保全、修復対策が円滑かつ適切に実施されるよう措置する。
第10節 海上交通安全の確保及び危険防止措置
油汚染事件の発生により航路筋が閉そくされる等により現場周辺の海域において船舶交通が混雑し、新たな海難が発生する危険が生じ、あるいは、防除作業の円滑な実施の妨げとなる場合には、海上保安庁は、必要に応じ、海防法等に基づき、船舶の退去、航行制限等の措置を講じる。
また、危険物である油が排出された場合、その防除作業を実施するにあたっては、火災、爆発及びガス中毒等の二次災害を防止するため、ガス検知器具による危険範囲の確認、火気の使用制限等の危険防止措置を講ずる
第11節 広報等
船舶交通の安全の確保、付近住民の安全確保、防除作業の円滑な実施等を図るため、関係行政機関、地方公共団体等は、それぞれ必要に応じ、他の関係行政機関、地方公共団体等と連絡調整を図り、迅速かつ的確な広報を行うものとする。
油汚染事件が発生した場合には、同様の事件の発生の防止及び一般的な油汚染事件発生時の対応に関する知識の充実に資するため、関係行政機関、地方公共団体等は、当該事件の原因、汚染の状況、講じた対策等についての状況を記録する。
第12節 事後の監視等の実施
関係行政機関、地方公共団体等は、前節までに定める措置が終了した後においても、必要に応じ、相互の連携の下、環境影響調査、財産の被害の調査等を実施する。特に、油汚染事件による沿岸域の生態系等環境への影響は、回復に長期間を要することがあることから、水質、底質、野生生物等への影響の調査を段階的・継続的に実施し、講じた措置の効果を検証する。また、関係行政機関、地方公共団体等は、この結果を踏まえ、必要に応じて補完的な対策を実施する。