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関係行政機関は、関係者に対し講習会、訪船指導等を通じ、油汚染事件発生の防止及び当該事件発生の際の対応に関する指導を行い、これを通じて海洋環境の保全に係る思想及び技術の普及・啓蒙を図る。

民間事業者は、油汚染事件発生の際に迅速かつ的確に対応できるよう、積極的に訓練等を行うとともに、人材の育成に努める。

 

第6節 近隣諸国等との協力体制

外務省は、運輸省及び海上保安庁と協力しつつ、近隣諸国等との油汚染事件発生時の連絡体制の強化や要請に応じた資機材の提供等、海洋汚染に関する協力体制の一層の強化に努める。

 

第3章 油汚染事件に対する対応に関する基本的事項

 

第1節 保護対象についての基本的な考え方

油汚染事件に対しては、海洋環境の保全の観点並びに国民の生命、身体及び財産の保護の観点の両面に配慮して適切な対応方策を講ずるものとする。この場合、第2章第1節の各海域ごとの情報等も踏まえて、被害の発生が最小限となるように措置を講ずるものとする。

 

第2節 対応体制の確立

油汚染事件が発生した場合、関係行政機関、地方公共団体等は、油汚染事件への対応について必要な対策を適切に実施するため、それぞれの機関の対応体制及び機関相互の協力体制の確立に努める。

海上保安庁長官、管区海上保安本部長又は都道府県知事は、自衛隊の派遣要請の必要性を油汚染事件の規模及び収集した被害情報から判断し、必要な場合には、自衛隊法(昭和29年法律第165号)の災害派遣の規定に基づき、直ちに要請するものとする。また、事態の推移に応じ、要請しないと決定した場合は、直ちにその旨を連絡するものとする。

自衛隊は、当該要請を受けたときは、要請の内容及び自ら収集した情報に基づいて部隊等の派遣の必要の有無を判断し、部隊等を派遣する等適切な措置を行う。

関係行政機関は、大規模な油汚染事件が発生した場合には、事件及び被害の第1次情報についての確認及び共有化、応急対策の調整等を行うため、必要に応じて、関係省庁連絡会議を開催する。

国は、油汚染事件が発生した場合において、収集された情報により、事件の規模、被害の広域性等から、応急対策の調整等を強力に推進するために特に必要があるときは、内閣総理大臣に報告の上、海上保安庁長官を本部長とする警戒本部を設置する。

 

 

 

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