また、鉱業権者は、鉱山保安法に基づき、排出油の防除措置を実施するために必要な資機材を備え置く。
さらに、港湾管理者は、港湾法(昭和25年法律第218号)に基づき、港湾区域内に流出した油の防除に必要な資機材を備える。
海上保安庁は、油汚染事件への対応を迅速かつ的確に実施するため、船艇、航空機、情報通信施設、排出油防除資機材等の整備を推進する。
通商産業省は、関係者の利用に供するため、石油事業者団体が行う排出油防除資機材の整備事業及び当該事業の普及・啓蒙を推進する。
水産庁は、油汚染事件による漁場等の汚染の防止又は軽減を図るための資機材の整備を推進する。
環境庁は、野生生物の保護を行うにあたって必要な資機材が適切に整備されるよう措置する。
関係行政機関は、各行政分野において、油汚染事件への対応のため必要な資機材の整備に努める。
地方公共団体は、必要に応じ、油汚染事件への対応のため必要な排出油防除資機材等の整備に努める。
また、必要な排出油防除資機材が、現場に迅速に配置され、活用できるよう日頃から官民の連携の確保に努める。
第5節 訓練等
関係行政機関、地方公共団体等は、油汚染事件への対応を迅速かつ的確に実施するため、事件の形態・規模、気象・海象、油の性状等様々な条件設定の下でのシミュレーション訓練手法を導入するなど工夫した関係機関相互の有機的連携に重点を置いた総合的かつ実践的な訓練を、排出油の防除に関する協議会等を活用して行う。訓練後には、当該評価を行い、課題等を明らかにし、必要に応じ、それぞれの機関の対応体制等の改善を行う。
関係行政機関、地方公共団体等は、油汚染事件への対応を迅速かつ的確に実施するため、海上災害防止センターの海上防災のための措置に関する訓練事業を活用するなどして、人材の育成に努める。
環境庁は野生生物の保護等を実施する上で必要な知識及び技術の修得に関する地方公共団体、関係団体等に対する研修等を行う。
また、海上災害防止センターは、海防法に基づき、より的確な防除技術を普及するため、海上防災のための措置に関する訓練事業を行うとともに、自らの防災措置に関する技術の向上に努める。
これらの訓練等の実施にあたっては、海洋環境の保全並びに国民の生命、身体及び財産の保護の観点から適切に実施されるよう配慮するものとする。