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参考資料1 「油汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画」

 

第1章 序説

 

第1節 計画の目的

四面を海に囲まれた我が国は、海洋をとりまく多様な自然環境に恵まれるとともに、そこに存在する豊かな漁場等から多くの恩恵を受けるなど、海洋環境との密接な関係の中で国民生活が営まれている。このようなことから、我が国周辺海域において、万一、油汚染事故が発生した際には、その初期の段階から迅速かつ効果的な措置を取ることが、海洋環境の保全並びに国民の生命、身体及び財産の保護の観点から必要不可欠である。また、我が国が世界有数のタンカー保有国であり、かつ、石油輸入国であることを考慮すると、我が国がこのような準備及び対応の体制を整備しておくことは極めて重要である。この場合、国、地方公共団体をはじめ、石油業界、海運業界、鉱山業界、漁業関係者その他の官民の関係者が一体となって取り組むことが重要である。

このような考え方を踏まえ、この計画は、平成8年1月17日に我が国において効力を生じた「1990年の油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約」第6条(1)(b)に規定する「準備及び対応のための国家的な緊急時計画」として、油による汚染に係る準備及び対応に関する我が国の体制を体系的に取りまとめたものであって、国際約束の的確な実施を確保するとともに、海洋環境の保全並びに国民の生命、身体及び財産の保護のため油汚染事件に我が国が迅速かつ効果的に対応することを目的として策定するものである。

 

第2節 他の計画との関係

この計画は、災害対策基本法(昭和36年法律第223号。以下「災対法」という。)に基づく防災基本計画、防災業務計画及び地域防災計画、環境基本法(平成5年法律第91号)に基づく環境基本計画、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和45年法律第136号。以下「海防法」という。)に基づく排出油防除計画並びに石油コンビナート等災害防止法(昭和50年法律第84号。以下「石災法」という。)に基づく石油コンビナート等防災計画と調和を保ったものであり、これらと相まって油汚染事故に迅速かつ的確に対応できるよう策定するものである。

 

 

 

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